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  • 2017年12月7日(木)

天地人

 あふれる才気。1度だけお会いしたことがある羽生善治さんの印象だ。1993年11月、羽生竜王に佐藤康光七段(いずれも当時)が挑戦した将棋タイトル戦・竜王戦の第4局が三沢市の古牧グランドホテルで行われた。対局前夜、両棋士にあいさつをさせていただいたと記憶している。

 当時、羽生さんは23歳。その若さで五冠王であり、既に将棋界の第一人者だった。佐藤さんも当代の気鋭で、2人の対局は考えられる最高のカードとして注目を集めた。お会いしたときの羽生さんは言葉少なで、近づきがたい雰囲気だったのを覚えている。

 あれから24年。その天才は通算7期目の竜王を獲得して、前人未到の永世7冠を成し遂げた。終局直後は、ほっとした表情を見せつつも「勉強して前を向いていきたい」と、さらなる闘志をみなぎらせた。

 羽生さんと激戦を繰り広げた棋士といえば、本県の将棋ファンにとっては、弘前市出身の行方尚史(なめかたひさし)八段がまず頭に浮かぶ。2年前、名人戦で羽生さんに挑んだが、惜しくもタイトル奪取はならなかった。永世7冠達成を「今後二度と成し遂げられないであろう」とたたえる。

 今年の羽生さんは相次いでタイトルを奪われるなど、不調が語られた。だが、この竜王戦では変幻自在の指し手で駒を動かし、勝負強さを発揮。プロやファンをうならせた。これからの羽生さんの戦いが楽しみだ。

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