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  • 2017年10月8日(日)

天地人

 「稲架」と書いて「はさ」や「はざ」と読む。刈り取った稲を天日に干すための木組みのことだ。今はコンバインが普及し、刈り取りと同時に脱穀、機械乾燥させるのが主流だが、田んぼによっては、稲の束をカーテンのように掛けて干したり、串刺しのように積み上げたりする昔ながらの光景を目にする。

 先日行われた県俳句大会のお題の一つが「稲架」だった。入選句に実りの秋が浮かぶ。<稲架掛けて都会の嫁の薄化粧>(後藤岑生)。都会から嫁さんを迎えて収穫の喜びもひとしおというところだろうか。

 <稲を干す子ら雀めく学校田>(蛸嶋八重子)。体を使い皆で協力して行う作業は、今の子どもたちにとって得がたい体験だろう。

 稲架の連なる風景はどこか人の心をほっとさせる。平和で落ち着いた社会の象徴にも思える。だが先行きはどうか。コメの値崩れを防いできた国による減反政策は来年産から廃止される。産地は農家の所得確保へブランド米競争に懸命だ。新顔も続々登場する中、デビュー3年目の県産米「青天の霹靂(へきれき)」は、新米の全国販売がきのうからスタートした。

 日本の農業は、経済のグローバル化にどう向き合い、安全・安心な国産食材を安定した価格で消費者に届けるための生産基盤をどう維持するのか。降ってわいたような衆院解散による総選挙が迫る。実りのある政策論争を聞きたい。

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