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  • 2017年2月15日(水)

天地人

 谷川浩司王将が軽く会釈して、投了を告げた。羽生善治七冠王がうまれた瞬間である。羽生3連勝のあとむかえた王将戦第4局であった。大盤解説場には400人をこすファンがつめかけた。投了の場面がテレビ画面に映し出されると、どよめきがおきたという。<史上初の快挙>。21年前の、きょう付本紙朝刊が伝えている。

 ことしの王将戦第4局がきのうおこなわれた。がけっぷちの郷田真隆王将が粘り、踏みとどまった。挑戦者・久保利明九段3連勝のあとの大一番であった。

 将棋ソフト不正使用疑惑をめぐる騒動があった。三浦弘行九段が、対局中に席をはなれソフトを使ったのでは、と疑われたのである。はじめに指摘したのは、当時の対局相手・久保さんであったと聞く。

 日本将棋連盟は三浦さんに出場停止処分をくだす。そののち、第三者委員会が不正の証拠はないと結論づけた。疑惑の確認をおこたるなど、連盟の不手際は否めない。三浦さんに謝り、会長をやめたのは谷川さんである。入院するほどやつれ、気の毒ではあった。

 羽生七冠王の独占をくずし、21年前に棋聖のタイトルを手にしたのが三浦さんであった。そして、おとといおこなわれた三浦さんの復帰戦は羽生さんが勝つ。登場人物が複雑にからみあう棋士のドラマである。愛好者ならずとも引きつけられる。

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