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  • 2017年1月12日(木)

天地人

 山川静夫さんのNHK初任地は、青森放送局であった。のちに紅白歌合戦の司会などを担当する名物アナウンサーである。津軽弁に悩まされながらも<たまらなくいとしい>3年間の<青春時代>を送ったと『私のNHK物語 アナウンサー38年』(文藝春秋)に書いている。

 初めて見るジャンプ競技のラジオ放送を命じられた。競技用語を四つだけ覚えて実況に臨んだ。選手の名前を呼び、四つの用語を並べ、距離を伝える。<これをあきることなくくりかえすしか能はなかった>という。新米アナウンサーの失敗談は尽きない。

 NHKラジオで、初めて大相撲の実況放送がおこなわれたのは、1928(昭和3)年のきょうのこと。中継に合わせて、立ち合い前の仕切りに初めて制限時間が設けられた日でもあった。

 個性あふれる仕切り、立ち合いは魅力のひとつである。琴奨菊の「琴バウアー」は館内を沸かせる。日馬富士が仕切る「平蜘蛛(くも)型」も独特である。初場所はきのう4日目を終えた。両力士とも2勝2敗と星取はさえない。

 制限時間を設けるまでは、あまりに仕切りが長いので、買い物や食事を済ませようと外に出る客もあったという。<…帰ってきたら、まだ仕切っていたという嘘のような本当の話もある>(銅谷志朗『大相撲の魅力』心交社)。のんびりとしていた。

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