| 2010年3月5日(金) |
一般会計総額が92兆2992億円の2010年度予算案が衆院を通過し、参院で審議が行われている。 憲法の規定で予算案の年度内成立が決まり、当面の最優先課題を乗り越えた鳩山政権は、子ども手当法案や高校無償化法案などの年度内成立も図り、衆院選マニフェスト(政権公約)の目玉政策実行を目指す。 今国会のこれまでの経緯をみると、「政治とカネ」の問題に塗りつぶされた印象が否めない。 国会が、国民の間に広がった政治不信の解消に努めるのは当然のことである。同時に重要なのは、景気の先行きなどに対する人々の不安を取り除くことである。与野党は、政策論争を競って国民の期待に応えていくのが筋である。 「政治とカネ」に関しては鳩山由紀夫首相自身をめぐる偽装献金、小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題が尾を引いたままだ。二人が国民を納得させる説明を果たしてきたとはいえない状況が続いている。政治不信を解消するどころか、北海道教職員組合による小林千代美衆院議員陣営に対する不正資金提供事件が、不信を増幅させてもいる。 鳩山首相は予算案の衆院通過に先立って、2日に小沢氏と会談。企業・団体献金の禁止実現に向けて与野党協議機関を設置し、早期に政治資金規正法の改正案をまとめるよう指示した。今国会で改正法を成立させたい意向のようである。 これを受けて与党3党は4日の幹事長会談で、与野党協議機関の設置で合意、野党に参加を呼び掛けることで一致した。 企業・団体献金禁止やその中身については、各党の考え方や思惑には違いがあるだろう。協議は難航が予想されるが、与野党は一日も早く実質的な協議を始めるべきである。 協議機関で成案を得るほかに、首相や小沢氏が国会で問題についてきちんと説明するのも肝要なのではないか。民主党は小沢氏ら関係者の証人喚問などに応ぜず、野党側の要求をはねつけてきた。そのことで、政治不信をぬぐい去る道を自ら閉ざしてきたともいえるからだ。 景気の下支えとなる予算案の成立が確定したことで鳩山政権は、子ども手当など家計への支援を早期に実施することで、内需主導の景気回復を目指すといわれている。だが、子ども手当などの消費刺激効果には疑問も多い。 一方、公共事業関係費は09年度当初予算に比べ18.3%も削減されている。公共事業に依存せざるを得ない地方にとって影響は大きい。雇用情勢も含め地域経済は不安を抱えたままだ。 09年度第2次補正予算に盛り込んだエコポイント制度継続などの政策効果、好調なアジア向け輸出で、景気は「二番底」の危機を脱したとの見方がある。しかし、デフレ状況が依然として改善せず、先行きは不透明ともみられる。 家計支援策の恒久財源がないとの批判への対応、財政健全化への道のりをどう示すのかも課題だ。政府は消費税率を4年間引き上げない方針を維持する見通しだが、増税議論を早く行うべきだとの指摘もある。選挙目当てではない政策論争を期待したい。 |