2010年3月2日(火) 東奥日報 社説



■ 県勢6選手「ご苦労さま」/冬季五輪閉幕

 カナダのバンクーバーで開かれていた冬季五輪は、数々の感動シーンと悲喜こもごものドラマを残し17日間の熱戦の幕を閉じた。

 日本のメダル獲得は銀3、銅2と史上2番目に並ぶ計5個。目標の10個には及ばなかったが長野五輪以来の長期低落傾向には歯止めがかかったといえる。

 世界の注目を集めたフィギュア女子、浅田真央選手の銀、高橋大輔選手のアジア初の銅、100分の2秒差に泣いたスピードスケート女子団体追い抜きの銀。伝統の男子500メートルの銀と銅。距離スキー女子の5位など価値ある入賞もあったが、金メダルには届かなかった。総体で見ればスキーを中心にもうひとつ振るわなかったという印象が強い。

 台頭著しい韓国、中国の活躍の陰に隠れ、アジアの冬季スポーツをリードしてきた面影はなかった。企業が支えてきた伝統の競技は不況下でパワーがなくなり、国の支援も弱い。冬季競技の底辺を支えてきた国体の開催難問題も競技力低下を反映している。このままでは世界との差が開きかねない。強化に向けどう対応していくべきか。今大会は競技環境を考え直すいい機会となったろう。

 そんな中で、県外から活動の場を青森に求めた5人と、競技のため県外企業に出た1人の、県勢6選手が五輪に挑んだ。健闘及ばず世界との差に涙する結果となったが、ひたむきな挑戦に多くの国民が感動を覚えたはずだ。あらためて「ご苦労さま」とねぎらいたい。

 女子カーリングの「チーム青森」は3勝6敗で予選1次リーグ敗退。8位と悲願のメダル獲得は遠かった。前半を五分の勝敗で乗り切り、4強への期待を抱かせたが、最後は4連敗でギブアップ。スキップ(主将)としてチームを引っ張った目黒萌絵選手も「大舞台で力を出し切れなかった。力の差を痛感した」と悔いが残る大会となった。

 しかし、カーリングの母国・英国を破り、強豪ロシアを0−6から大逆転で下すなど、随所に見せ場があった。巧みな戦術に正確な技術の応酬、一投で局面が変わるスリリングな展開と面白さ。国民のカーリング人気を一段と盛り上げ、認知度を高めたことは「敢闘賞」ものである。

 3回目の五輪となったノルディックスキー距離女子の福田修子選手(大鰐町出身・岐阜日野自動車)はリレーなど3種目に出場したが目標の入賞はならなかった。こつこつと積み上げてきた努力の集大成に「悔いはない」とさわやかだった。

 カーリングの5選手は今月開催の日本選手権(北海道・北見)、世界選手権(カナダ)に臨み、終了後に今後の競技活動について結論を出すという。福田選手も残る今シーズンの日程を終えてから、先のことを考えるそうだ。

 去就はどうであれ、本県関係の6選手が、夢の舞台を通して次代を担う後輩たちに勇気と感動と、大きな刺激を与えたことは間違いない。この経験をぜひ、次の目標に、できれば競技のステップとして生かしてほしいものである。そして、4年後のロシア・ソチ大会にも県勢の冬季競技の伝統がしっかり守り伝えられることを期待したい。


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