| 2010年2月25日(木) |
任期満了に伴う県医師会長選の投票が14年ぶりに実施され、会長が交代した。 臨時代議員会による選挙で青森市医師会長(現在5期目)の齊藤勝氏(72)が22票を獲得し、20票だった現職で5期目を目指す佐々木義樓氏(70)を退けた。 選挙結果は、現体制に対し組織刷新を求める声が上回ったものだ。ただ、佐々木氏の4期8年にわたる本県医療の発展への取り組みや努力を否定することはできない。佐々木氏を支える代議員も少なくない。齊藤氏は亀裂を招かぬよう融和し進むべきだろう。 選挙では佐々木氏の会長職が長期に及び、政権交代をはさみながらも長く自民党と続いた蜜月、日本医師会(日医)寄りの医師会運営などに、会員の不満がうっせきしていたとされる。 事実、青森市医師会の政治団体・市医師連盟(齊藤委員長)は自民が打ち出した「後期高齢者医療制度」を医療費削減につながるとして強く反対し制度廃止を訴え、昨年の衆院選1区では制度廃止を掲げる民主党候補を推薦。自民系候補推薦の県医師会の政治団体・県医師連盟(佐々木委員長)とねじれを生んでいた。 小泉構造改革による医師収入に直結する診療報酬引き下げなど医療費抑制への不満、全国同様、県内の医師会には反発が強かった。 こうした下地と県医師会のいわば自民一辺倒の姿勢への反旗と危機意識が会長選挙へと向かわせた。 齊藤氏は本紙に「60年以上も変わっていない日医の改革も必要だ」とし、郡市医師会と会員の意見を尊重する運営をし、勤務医・開業医の力で医療崩壊を防ぐ−と改革目標を掲げた。 その意欲に期待したい。 ただ、開業医を中心とする職業団体である県医師会は当然だが、単に開業医優遇と利益を代弁、その権益を守るためだけの組織でもない。地域が求めているものを吸い上げながら、地域医療の充実と県民医療の向上に全力を挙げることこそが本分である。 医師不足の中で、救急や小児科、産科など開業医は減少し、勤務医の負担は増している。こうした中、県医師会として何ができるのか。もてる医療資源を初期医療にもっと積極的に生かし、動くべきであり、その方策を打ち出すべきだ。 先の診療報酬を議論する中央社会保険医療協議会(中医協)では3人の日医推薦枠が除外され、民主の色彩が強まった。だが、それでも開業医の再診料は20円下げられ、病院勤務医を引き上げ、ともに690円となった。開業医への視線も依然厳しい。 4月には日医会長選が予定され、政権交代の流れを受けてこれまでの親自民に対し親民主、中立の3人で争われる方向だ。選挙を控え本県など全国の医師会も流動化、大阪府でも自民支持の現職が落選するなど各地で異変が起きている。 齊藤氏は「政党には是々非々で臨む」とするが、支援の医師会から「民主支持が大半だ」の声もある。 日医会長選で、県医師会長と同時に決まった本県代議員3人がどう対応するかは一つの焦点だ。県医師会は患者や県民のための組織であることをあらためて認識し、政策を重視する姿勢を貫くべきだ。 |