2010年2月24日(水) 東奥日報 社説



■ 与野党いよいよ正念場に/参院選まで“中間点”

 直前の衆院選で圧勝した民主党中心の鳩山政権が昨年9月に発足してから5カ月が過ぎた。参院議員(定数242)の半数は、7月25日で任期満了になる。これに伴い約5カ月後に行われる参院選は、今年最大の政治決戦になる。政権交代してよかったか悪かったかに審判が下される。

 衆院に加えて参院でも単独過半数を得ようという民主と、民主を含む与党を過半数割れに追い込もうとする自民党の対決を軸にした参院選をめぐる戦いは、今“中間点”。与野党にとっていよいよ正念場になる。

 そんな折、民意は政治をどう見ているかをつかむ上で参考になり、与野党とも参院選の行方を占う前哨戦と位置づけて重視した二つの選挙の結果が出た。

 長崎県知事選は民主、社民、国民新の与党3党が推薦する候補が、自民、公明党が支援する候補に大敗した。同じ与野党対決型になった東京都町田市長選でも与党の推薦候補が敗れた。地方、都市部とも、政権や民主に対する逆風が吹いているのではないか。

 発足直後は70%を超えていた内閣支持率が下がり続けており、2月初めには41.4%に落ちた。不支持率は逆に45.1%に上がり、支持・不支持の逆転状態が続く(共同通信社調べ)。逆風は強まっている。

 政権や民主は、長く続いた自民政権とは別の政治を期待して高まった熱気が、半年ほどで冷え込みつつある現実を率直に受け止め、どう立て直すかを真剣に探るときだろう。

 二つの選挙で敗れた主因は、民意が首相と小沢一郎・民主幹事長の政治資金問題を厳しく見つめているためという分析が多い。首相も「政治とカネの問題の影響を受けた」と認めた。

 そうであれば、民主の渡部恒三元衆院副議長が言うように「国民が理解できるけじめ」を示すべきだ。だが、国会で積極的に説明しようとする姿勢が、首相にも小沢氏にもみえない。

 「地域主権」を掲げる民主は、自民政権時代の利益誘導を批判しながら、その手法を長崎県知事選で使うような動きをした。政権公約と政策のずれ、米軍普天間飛行場をめぐる首相や閣僚の発言の迷走などを試行錯誤とみる好意的な受け止め方が減っていることも、退潮の要因だろう。

 一方、長崎県知事選などの勝利に力を得た自民は、野党に転落して以来の沈滞ムードから脱出しようと反転攻勢を強めている。小沢氏らの国会招致を求め、民主が応じないのを理由に2010年度予算案の審議拒否戦術に入っている。

 だが、ほかの野党は、政治資金問題の徹底追及では一致しているものの、予算案の審議には応じている。自民に同調していない。

 報道各社の世論調査では内閣支持率は下がっているが、民主の支持率がそれほど下がらず、自民の支持率は上がっていない。

 中間点の今、国民が何を望んでいるかを政権も与野党もよく考えてほしい。政治資金問題で詳しい説明を求める民意に誠実に耳を傾けること、国民生活をよくするため景気・雇用対策などをめぐる論議を国会で深め、より信頼し理解できる政治ができるのはどこかを競うことではないか。


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