| 2010年2月20日(土) |
1999年から県内を含む全国の地域で続いてきた「平成の大合併」が終幕へと向かう。 国や都道府県の主導で進めてきた合併だが、本年度末のこの3月で時限立法である現行の合併特例法が期限を迎えるためだ。 この10年で、3232あった全国の市町村は1730とほぼ半数、46.5%の減少となる。県内では、2004年に五戸町と倉石村が第1号として合併した新「五戸町」を含め、67市町村のうち44市町村が合併し17市町に再編、全体で40市町村という姿になった。 合併の背景にあったのは国と地方の財政危機だ。小泉政権下、国と地方の税財源を見直す三位一体の改革で地方交付税を減らす一方、合併する自治体には合併特例債(国が7割支援)の発行を認めるなどして合併へと導いた。 財政難にあった県内を含む全国の自治体は、強い危機意識から、国・県などの手厚く、さまざまな財政支援のある「合併号」というバスに乗り込んだ。 多くの困難の中、時間をかけ合併を成し遂げた自治体の努力は評価すべきものだ。ただ、合併により自治体の行財政基盤が一定程度強められたが、大きく改善はしていない。合併の目的だった少子高齢化社会に対応した、地方分権の受け皿としての機能や基盤は十分強化されたかどうか。 合併自治体や住民には期待とともになお不安感があり、その安定や合併の評価はまだ先だ。国から地方への権限、財源移譲は進んでいない。合併の区切りを受け政府は、地域主権や分権のビジョンを示すべきだ。 県が先に合併自治体への調査を基にまとめた検証では、合併効果として、社会福祉士など福祉分野の専門職員配置をはじめ、公共施設の利用など、行政サービスの向上がある。合併特例債も全合併団体が活用し、09年度で、学校や市街地の公共工事を中心に791億円の起債実績があった。 一方、首長などの特別職、議員の削減により人件費も減らし、総計で20億円余の節減にこぎつけた。 だが、課題は自治体中心部と周辺部の格差に不満がある点。重要なのは住民の一体感と生活向上で、「合併してよかった」に尽きる。 先の県調査では「支所に活気がない」や「健診や期日前投票などの一部サービスで場所が集約され不便」「保育料や上下水道事業で一部使用料が未統合」の指摘が出ている。五所川原市や外ケ浜町、中泊町の3市町の飛び地合併も、なお課題を残している形だ。 合併特例法の期限切れを受け、県は3月で市町村合併推進本部を解散する。国は特例法改正案で合併への交付税優遇は継続する方向だが、積極的関与はやめ、自主的合併に軸足を移す。 そうした中、既に合併した県内自治体の真価は財政上の優遇措置が終わるこれからだ。「今後の合併効果は市町の取り組み次第」とされるが、合併を推進した県も引き続き指導していく必要がある。 一方、人口1万人未満の小規模な県内自治体はなお12町村ある。こうした基礎自治体での少子高齢化は懸念材料だ。国や県は小さな町村への目配りも忘れないでほしい。 |