2010年2月15日(月) 東奥日報 社説



■ 法の早期改正を果たせ/「政治とカネ」問題

 鳩山由紀夫首相は今月5日の衆院予算委員会で「政治資金規正法に厳しい目を向けなければならない。前向きに扱うべき問題だ。各党で議論して、できるだけ早く結論を出してほしい」と述べた。企業・団体献金を禁止する同法改正の実現に期待しているものと受け止めたい。

 首相は12日の集中審議でも、政党交付金の使い道について「適正を期さなければならない」と表明、政党助成法改正に前向きな姿勢を示した。

 政治資金の透明性を確保するため制定された政治資金規正法は「政治とカネ」問題が起きる度に、改正と強化を繰り返してきた。しかし、厳格なチェックが実現したとはいえず、不備をくぐり抜ける違反が後を絶たないのが実情だ。

 政治資金の不適正な取り扱いで、会計事務担当の秘書の責任が問われる一方、政治家は「知らなかった」で済ますケースが多い。政治家個人の監督責任をもっと強化する必要がある。

 さらに、特定の企業や団体との癒着を防ぐため、企業・団体献金の制限と併せて導入された政党交付金についても、国民の間に疑念が広がっている。

 政党に対する国の補助金だから、受け取っていた政党が解散したときに余っていれば、国庫に返すのが当然だ。しかし、制度が導入されて以降に解散した17政党すべてが返還していなかった。所属する議員の政治団体への寄付などで使い切ったり、後継政党へ資金を引き継いでいたという。

 政党助成法では政治活動の自由を尊重、政党交付金の交付に当たって条件を付けたり使途を制限してはならないと定めている。だが、国民1人当たり毎年250円、総額300億円を超す税金だ。国民がチェックできるよう使途をすべて明らかにすべきではないか。

 「政治とカネ」にまつわる問題で、国民に不満がまたも高まっている。政治不信が拡大しないよう法律の早期改正を果たすべきである。それが与野党に課せられた責務といえる。

 自民党内には企業・団体献金の全面禁止に消極的な議員が多いとされるが、民主党は衆院選のマニフェスト(政権公約)で、法改正の3年後から企業・団体献金とパーティー券購入を禁止すると主張している。

 企業・団体献金の禁止を目指す公明党は、秘書など会計責任者が政治資金収支報告書への虚偽記載などの違法行為をした場合、監督責任のある議員も公民権停止にする罰則強化などを打ち出している。

 一方、党に交付された金が政治家個人の政治団体に分配されるのは、政党交付金本来の趣旨に合うのか疑問だ。自公両党は既に、解散する政党の交付金を他の団体に寄付することを禁ずる法改正案を国会に提出している。また、現行法で使い道を制限できないのも、不透明な資金処理を助長してはいないだろうか。

 政治活動にはお金がかかる。国民は重々承知している。だが、その取り扱いについては、高い倫理性を求めている。当然のことである。各党は政治資金にかかわる法律の改正問題を政争の具にせずに、国民の期待に真剣に応えていくべきときである。


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