| 2010年2月3日(水) |
県内の高校を3月に卒業する予定の生徒は1万4千人弱。就職を希望している生徒はほぼ3分の1、約3900人を数える。 だが、青森労働局によると、昨年12月末段階の就職内定率は66.9%だった。前年の同じ時期よりも約10ポイント下がっている。希望者の実に3人に1人、約1300人の内定先が決まっていないことになる。 県内で高校卒業年度に就職が決まらなかったのは、最近5年間では2004年度の336人が最多。比べる時期が違うにしても、その3倍強になっている。県や青森労働局、県内の経済団体などは県緊急雇用対策本部をつくっている。 卒業式まで1カ月のこの時期になっても、就職活動を続けている生徒が少なくなさそうだ。卒業後も定職が見つからず、アルバイトなどを余儀なくされる生徒も出るのではないか。 学生の内定率も大幅に下がり、“就職氷河期”の再来とされる。だが、企業が学生を採用しようという傾向を強めていることを考えると、就職希望の生徒が直面している事態は、とても深刻なのでないか。 生徒の就職戦線の厳しさも受け、県が雇用促進対策を打ち出している。これを機に、生徒らの就職を後押しする支援の動きが県内に広がってほしい。 県の対策の一つは、3月に高校、大学を卒業予定の生徒、学生らを県内の企業が新たに雇用する場合、県が1%という極めて低い利率で運転資金などを融資するというものだ。 企業を金融面で支援しながら雇用の拡大に結びつけようというこの特別融資の枠は当初、総額が10億円だった。だが、企業からの申し込み、問い合わせが多かったため、2月初旬という融資受付開始の時期を既に前倒しした。総額も1日付で30億円に増やした。 県は、臨時職員として4月から採用する新規高卒予定者の枠を09年度の13人から大幅に増やし、優先的に受け入れる方向も打ち出している。 県外の自治体で、就職先が決まっていない新規高卒予定者を臨時職員として採用しようとする動きが出ている。県内の市町村も検討してはどうだろう。 県内に20店舗のスーパーを持つ「マエダ」(本社・むつ市)は4月から、退職したパート社員の欠員分に新規高卒予定者を充てる初めての取り組みをする。 青森、下北、上北地区の店舗に自宅から通勤できる生徒をパート社員として29人採用する。雇用期間は6カ月で更新可能という。 生徒は高校卒業後に働いて家庭を持ち、親の力になるだけでなく、地域の人とつながったり地域経済を支える担い手にもなる。 その大切な“宝”が、雇用の場がないから県外に去ってしまう。少子化が進む県内でそんな流れを緩やかにしたり食い止めないと、今だけとか一時的ではなく将来にわたって本県にとって大きな痛手になる。 県内の景気は低迷し、多くの企業は経営が厳しい。採用を増やしたいが、できにくい。それでも、各企業は、国や県の雇用促進策を活用したり、マエダの試みを参考にしながら、自分たちも雇用の受け皿づくりができないか考えてほしい。 |