| 2010年1月25日(月) |
蓬田村の玉松台スポーツガーデン内にある村有防風林のクロマツ1本に、マツを枯らす「松くい虫被害」が見つかった。 クロマツは樹高26メートル、直径64センチで、樹齢約50年の自生木。本県に自生するマツで被害が確認されたのは初めてという。そばには、由緒ある「玉松台」の呼称の由来となった松林があるだけに、住民には驚きや戸惑いが広がったという。 松くい虫被害は、昆虫のマツノマダラカミキリによって運ばれる微小な虫「マツノザイセンチュウ」という“病原体”が、マツの中に侵入して引き起こされる。 新年に入って、県森林組合連合会の樹木医がクロマツの葉が茶色に変色している異常を発見。県産業技術センター林業研究所(平内町)で病原体の陽性を確認、森林総合研究所東北支所(盛岡市)が病原体を検出したという。 県はクロマツを伐採し焼却処分を行うとともに、感染経路を調査する方針だ。年輪を重ねた自生木の被害であり、詳細な分析で感染経路など原因究明を進める一方、被害が万一、拡大することのないよう、樹木の徹底的な監視や防除活動を行うことを求めたい。 国や県、市町村、森林・林業団体等でつくる連絡協議会は近く対策を協議する。被害が自然発生したのか、何らかの理由で人為的に発生したかは不明だが、自治体や林業関係者に注意を喚起し対策を講ずべきだ。 一方、県林政課は「県民も周辺で枯れたマツを見かけたら、県や市町村に通報を」と呼びかけている。 病原体の運び屋であるマツノマダラカミキリは、本紙によれば自力で移動できる距離は約2キロという。春から初夏にかけ成虫となり、冬期間は活動がにぶり移動しないだけに、この間を利用し、被害の予防と対策を練るべきだ。 松くい虫被害のこの間の経過をみると、2006年から07年にかけ深浦町の県境から秋田県側へ250メートルの地点で発見され、大きな問題となった。深浦町の一定区間で民有林や国有林のマツ類を伐採したが、本県入りの危険を思わせた。 06年7月には弘前市石川の大仏公園で、マツノマダラカミキリを中南地方で初捕獲。08年9月には、外ケ浜 町平舘漁港の公共工事で県外から調達したクロマツに本県初の松くい虫被害を発見した。ただ、感染は県外だったことが判明した。本県と北海道を除く各都府県で発見されてきた病害だ。全国では減少傾向だが、蓬田村の被害は自生木との点で問題は大きく、自然に発生したものなら本州全域での被害確認となる。 県森林資源統計書の08年民有林の樹種別面積では、クロマツは3.8%(9112ヘクタール)。クロマツには保水力があり土砂流出を妨げ、災害を防ぐ力がある。本県では海岸砂防林や防風林として保安林の役割を担う一方、景観上も公益的機能を持つ重要な樹木だ。 こうした木々の壊滅的打撃を与える松くい虫被害の発生と拡大を抑えなければならない。クロマツより広く分布し本県内陸部に見られるアカマツでも同様だ。 建材の一部として需要があり、景観や自然保護の面でも価値ある木だけに、病害対策は極めて重要になる。 |