| 2009年12月31日(木) |
2009年は変革の年だった。新しい政治への期待が広がる一方で、出口の見えない経済不況。社会の明と暗が激しく交錯したが、県内はどんな1年だったろうか。本紙「読者が選ぶ県内10大ニュース」で振り返ると、先行き不安が続く中にも、県民が将来への展望を見いだせるような明るい兆しが見える。 今年は元日早々、八戸圏域大断水というライフライン事故のニュースで幕を開けた。導水管からの漏水で1市6町9万2600世帯が断水、年明けから市民生活に大きな影響を与えた。 世界不況の波は本県にも暗い影を落とした。1月に県内製造業最大手のアンデス電気が194億円もの負債を抱え民事再生法を申請。倒産は回避されたものの、巨額の債権を200年かけて回収する異例の再生計画が論議を呼んだ。 このほか、景気低迷で弘前市の第三セクター弘前再開発ビルが経営破綻(はたん)し複合商業施設「ジョッパル」が閉鎖に。青森市の「アウガ」も経営不振で公金投入が決まった。 有効求人倍率全国最下位の県内景気は一向に上向く気配はない。高卒予定者の就職内定率は6割を切り、雇用不安は続きそうだ。 今年は選挙の年でもあった。4月の青森市長選は新人の鹿内博氏が6期目をめざした現職を大差で破り、市政刷新が支持された。 民主党の歴史的な大勝で「政権交代」が実現したのは8月の衆院選。本県では4選挙区のうち自民が3議席を死守、民主は比例復活を含めて4人全員が議席を獲得。比例の共産を含めて8人の議員が誕生した。 今年の世相を表す漢字は「新」だった。県民の不安を募らせたのが新型インフルエンザ。7月に初の感染者が確認され、死者も出るなど秋口から学校や保育園などで猛威をふるった。 医療面では新たに八戸市民病院を暫定拠点とするドクターヘリが3月から運航し、力を発揮している。新スタートの裁判員制度の全国3例目の裁判が青森地裁で開かれたのも記憶に新しいところだ。 暗いニュースが多い中で明るい話もあった。まずは全国的な太宰ブームである。太宰治生誕100年の多彩な催しが続き、故郷が生んだ文化の偉才を再認識する1年になった。 カーリング女子・チーム青森の活躍も忘れてはならない。11月に地元で行われたバンクーバー冬季五輪日本代表決定戦で宿敵・チーム長野に快勝、2大会連続の五輪を決めた。2カ月後には「クリスタル・ジャパン」として悲願のメダルに挑戦する。 トップにランクされたのは「東北新幹線全線開業まであと1年」。先行きに希望を託す県民の思いがにじむ。11月には八戸−新青森間のレール敷設が完了、東京−新青森の675キロが一本の線路でつながった。二つの新駅舎建設も急ピッチで進み、新型車両「E5系」が試運転でお目見えして期待は大きく膨らんだ。 年が明ければ開業は秒読み、課題の受け入れ態勢整備が急がれる。チャンスを生かして展望を開く。新しい年が本県にとってえとの「寅(とら)」のごとく、力強く希望の持てる1年になることを期待したい。 |