2009年12月24日(木) 東奥日報 社説



■ 歯がゆさ解消できるのか/鳩山政権100日

 この夏の鳩山政権誕生から100日を迎えた。

 閉塞(へいそく)感の極まった政治に風穴をあけ、新風を期待して、国民は政権交代を選択した。

 「国民の生活が第一」を掲げ、脱官僚・政治主導を旗印に自民党政治から転換を図る。が、そんな意気込みも、ここにきて閣内不統一と連立政権のきしみ、鳩山首相の優柔不断から空回りぎみだ。

 当初の政権の高揚感は政治の現実に接し趣を変えた。来年度予算編成米軍普天間飛行場移転問題、首相の虚偽献金問題で揺れ続け、所信表明時の鳩山首相の躍動感も薄れつつある。

 国政トップとしての指導力不足を指摘され、内閣支持率は下降し、一部では、首相の資質を疑問視する空気さえ出始めた。

 新政権のハネムーン期間は過ぎようとしている。険しい世相と社会のはざまで、暮らしの向上と改革を求める民意は政権に悠長な時間を許さない感もある。

 鳩山政権はもたついてはいられない。この歯がゆさを解消できるかどうかだ。

 2010年度税制改正大綱では、政権公約(マニフェスト)に盛り最大の焦点となったガソリン税の暫定税率をめぐりこの1カ月、閣内調整がもたつき迷走。小沢一郎幹事長による党の重点要望の税率維持を事実上受け入れる形で決着した。

 財源不足という現実の中、党側が助け舟を出す役を演じたとされるが、この過程で明確になったのは、司令塔なき内閣の力量不足だ。そして、不透明な政策決定の仕組みだ。

 政権担当の経験のない民主だが、多少の試行錯誤や摩擦、政策の修正は容認されようが、公約の順位付けをしていくことが肝要だ。

 一方、今回のもたつきの根本原因は脆弱(ぜいじゃく)な官邸機能にある。首相は態勢を立て直す必要がある。「政策は内閣一元化」は視界不良になりつつある。幹事長室が陳情・要望を受けるシステムを作った時点で、いわば必然的に党側、小沢幹事長の政策関与につながった。首相が繰り返す「最後は私が決める」も迫力不足の印象だ。

 むしろ、突出し始めた小沢幹事長の強権ぶりから、政権内の求心力も位相を変え政府が党に振り回される様相だ。双頭の綱引きが続けば、懸念は強まる。

 100日を振り返れば、行政刷新会議が公開で行った事業仕分けは、削減額や内容の面で限界を示したが、税金の使われ方を明らかにした点で新鮮だった。

 だが一方、国家ビジョンや経済、外交戦略などの具体像がなお、あいまいだ。「友愛」「人を大切にする政治」の理念もどう肉付けするのか。政権に求められる課題は山積している。

 普天間問題で首相は、来年5月までに意思を明らかにするという。時間を浪費するわけでもないはずだ。批判と懸念を封印するとすれば条件は一つ。なるほどという結論を出すことだ。

 その覚悟と自信があっての一連の言動でなければ、「決められぬ首相」というイメージも早々に定着しよう。

 いま、鳩山政権初の予算編成作業が大詰めだ。国の今後を占う予算案だ。果たしてどんな姿になるのか。注視したい。


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