2009年12月22日(火) 東奥日報 社説



■ COP15政治合意/新議定書採択に道筋を

 コペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)は日米欧、中国など主要26カ国がまとめた「コペンハーゲン協定」に合意。全締約国がこれに「留意」することで一致した。しかし、全体会合での採択は断念され、ポスト京都議定書の枠組みをどうするか、という最も重要な課題は先送りとなった。

 2012年で期限が切れる京都議定書が定めていない2013年以降の枠組みづくりは、今回の最重要テーマだった。米中という2大排出国を巻き込み、温室効果ガスの削減に実効性を持つ新たな枠組みを構築することが、日欧など先進国が目指す大きな目標だったといえる。

 今回は120カ国の首脳が集まって初のトップ級会合が持たれただけに強い期待感もあった。ところが2週間にも及ぶ会議は新興国、途上国のペースで進み、枠組み構築という本題にすら入れなかった。責任と義務をめぐってそれぞれが主張を述べあって対立の構図は解けなかった。

 今や最大の排出国となった中国は独自の削減目標こそ出したものの削減行動の検証に異を唱え、インドなどと共闘、京都議定書の延長を主張するなど、エゴむき出しで会議は最後の最後まで紛糾した。結局は米中の妥協の産物である「政治合意」で決着、本題は1年後の次回会合まで持ち越される形となった。

 しかし、決裂寸前の中で合意した「コペンハーゲン協定」の内容は正直言って期待外れだ。協定には産業革命以降の地球の気温上昇を2度以下に抑えることや途上国に対する資金援助などを骨子とする合意が盛り込まれているが、法的な拘束力はない。肝心の世界全体で目指す温室効果ガスの削減目標が盛り込まれていないのは、これから先の道のりの険しさを示している。

 わずかに、評価するとすれば12年までの3年間に先進国が途上国に300億ドル(約2兆7千億円)を提供し、20年までに年1千億ドルを援助する具体的な支援策が約束されたことだ。途上国の温暖化防止と経済成長等に役立つ基金制度が構築できるかが課題だが、今後の交渉進展への布石と言っていい。

 また、協定は日米欧などの先進国は20年までの排出削減目標を来年1月末までに合意の付属書に記載する、としている。しかし、この数値が独り歩きするのは困るし、京都議定書延長だけは避けなければならない。何より大事なことは世界の排出量の4割を占める米中がそれなりに責任を負う、公平な枠組みであることだ。

 「コペンハーゲン協定」は拘束力のある次期枠組みを先送りにした。今回の教訓を背に、世界は来年末の次期会合(COP16)に向けて新たな枠組みの合意を目指すことになったが、首脳会合が浮き彫りにしたように、もつれた糸をほぐすには各国が粘り強い外交交渉を続け、確かな道筋をつけていくしかない。

 気候変動の脅威が地球をむしばむ中で、すべての主要排出国が世界の未来に責任を持って参加する、実効性のある新議定書の採択が急がれる。


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