2009年12月20日(日) 東奥日報 社説



■ 一部開業だが多難な船出/三沢・MGプラザ

 三沢市が官民一体で進めている中心商店街再生事業「アメリカ村」の中核商業施設「MG(メーンゲート)プラザ」の行方が気がかりだ。施設は完成し、一部開業したものの、肝心のテナントがいまだに決まらない。施設全体の開業がいつになるのか、一向に見えてこない。多難な船出になった。

 同プラザは客足が遠のいた市中心商店街の活性化に向けた大型商業施設で、鉄骨3階建て、延べ床面積約4200平方メートル。事業会社のMGインターナショナルは地元商業者が共同出資して設立した民間企業。国と市の補助金を活用し、当初は市制施行50周年に当たる昨年中に開業予定だった。

 ところが、建設途中の昨年8月、工事を請け負っていた埼玉県の業者が高騰した建設資材の入手に手間取るなどして工事を中断。MGインターナショナルや市、市商工会の3団体は事業計画を見直し、残った工事は地元業者に発注した。

 コミュニティーFM放送局は中止し、観光案内所やイベントスペース、コミュニティーセンターなど公共スペースを各階に設けた。

 計画見直しにより、プラザ建設の事業費は約8億5千万円から約6億3千万円に圧縮。このうち国が2億8700万円、市が1億3900万円を補助する。

 中断した建設工事を5月に再開させ、10月の施設完成までこぎ着けた関係者の努力は大いに評価されていい。FM放送局中止や外観の一部変更なども工事中断という緊急事態を考えれば、やむを得ない判断だったかもしれない。

 しかし、世界各国の料理が楽しめる飲食ゾーン、輸入雑貨などを扱う物販ゾーンによる国際色豊かな空間の形成―という基本コンセプトは色あせた。MGインターナショナルが産直施設などを入居させ、19日に一部先行開業に踏み切ったのは窮余の策と言えよう。

 関係者が依然として、市民への説明に後ろ向きなのも気になる。今月1日にあった三沢市長の定例会見でも、MGプラザ開業に関する質問に市側は言葉を濁すだけ。事業に多額の税金が投入されていることを忘れてはいないだろうか。

 MGインターナショナルに対し、工事を請け負っていた埼玉県の建設業者が、請負契約解除に伴う損害賠償の支払いを求め、中央建設工事紛争審査会に仲裁を申請したことや、コンサルタント業務を請け負っていた東京の会社が、未払いの委託料などの支払いを求め提訴したことも最近、明らかになった。同社はこれらの紛争についても説明してこなかった。

 MGプラザ建設を含む市中心市街地活性化基本計画は、2007年に国から認められた。本県では青森市に次いで2番目だった。

 その青森市では再開発ビル「アウガ」を経営する三セクが経営危機に陥り、公金投入が議論されている。同市の幹部は(1)開業を急ぐあまり運営準備を犠牲にして出発した(2)売上高の見込みなど事業計画の精度が低かった―などが危機を招いたと指摘したという。

 MGインターナショナルなど3団体は先行事例から教訓を学びとり、街ににぎわいを取り戻すという市民の期待に応えてほしい。


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