| 2009年12月12日(土) |
来年3月で期限切れになる「過疎地域自立促進特別措置法」(過疎法)が延長されることになった。 著しい人口減で地域の生産機能が低下し、生活環境の整備などが遅れた「過疎地域」を国が財政支援する過疎法。延長決定は、先行きを懸念してきた県内市町村や県、過疎地域を抱える全国の自治体を安堵(あんど)させた。 平成の大合併を受けて、過疎地域は現在、全国で合併前の指定地域を含め730自治体、本県では24市町村が指定されている。 住民の過半数を65歳以上の高齢者が占める「限界集落」が増加するなど、過疎は深刻な社会問題。2009年の本県推計人口でも、総人口は前年に比べ1万2千人余が減り、138万2500人余となった。 65歳以上は35万人超で、高齢化率は初めて25%を突破。地域で過疎化が進む。 過疎法期限切れから、本県を含む関係都道府県議会や市町村議会は新法制定を求め意見書を採択してきた。財政支援の根拠法である過疎法の延長が固まったことは、喜ばしい。 しかし一方、この40年で実に80兆円超に上る税金が投入されてきたにもかかわらず、過疎の状況が改善されなかったのも事実だ。 過疎法延長という暫定措置を歓迎するが、地域を守り育て、維持していく恒久的で抜本的な支援策が必要といえる。国にはこれまでを検証し、根本から改革していく論議を求めたい。 過疎法は1970年に10年の時限立法として制定され、過去3回更新されてきた。政権交代後の今回も議員立法で対応する流れだ。 民主、自民両党による協議は始まっているが、民主の3年延長に対し、自民は10年延長を主張している。 鳩山内閣が2011年度から国の補助金を廃止し、一括交付金として地方に配分することを検討していることから、民主は新過疎対策もこれに合わせ暫定期間中に検討していくという。 既に協議では延長後、医療・福祉、人材育成などソフト対策を強化するとの点で一致している。 この40年、地域の道路整備などは進んだ。道路も重要であり、自治体は元利返済額の7割を地方交付税で補てんされる有利な過疎債を活用し実施してきた。 が、過疎ゆえに、バス路線は乗車密度などの採算性から切り捨てられていった。お年寄りにとり病院に通う足の確保は厳しく、加えて地域医療は疲弊した。若者定住を含め、本県にも共通する難題が横たわる。 地域の実情は地域が知っている。政党や国には地方の声に耳を傾け論議を深め、過疎支援策を組み立てることを求めたい。 そして、県は過疎法延長に留飲を下げず、もっと過疎地域に入るべきだ。村落などの住民が支え合って暮らす姿や現実を直視し、行政に反映する政策の手がかりを探すべきではないか。 過疎対策は国土保全や水源涵養(かんよう)、食糧供給など多様な理念がある。地域を生かし持続可能にしていくことは、都市と農村漁村の相互依存が重要になりつつある中、国民共有の価値にほかならない。 その意味でも、都市住民にも過疎問題をしっかり理解してもらう必要がある。 |