2009年12月9日(水) 東奥日報 社説



■ 教訓生かし本予算編成を/追加経済対策決まる

 経済活動を縮小させるデフレに円高も加わる。体力が奪われていく日本経済を立て直す効果的な追加経済対策を決めたい。だが、財政は極めて厳しい。国債という借金を増発すれば財政の悪化が深刻になる。財政規律も保てなくなる。

 鳩山政権は、社民党や、大型の追加対策を求める亀井静香金融・郵政改革担当相が代表の国民新党との連立政権だ。参院で過半数を維持し政権を安定させるには、国民新に一定の配慮をせざるを得ない。

 こうした事情を抱える鳩山政権が、初めての予算づくりと言える2009年度第2次補正予算案を核にした政権初の追加対策を閣議決定した。

 決定まで時間がかかり、自民党の大島理森幹事長から「予算の執行まで空白も生まれる」と対応遅れを批判された。政権は、これらの教訓を、年内にまとめたいとしている10年度予算案(本予算案)の編成という本番に生かすべきだ。

 補正予算案の財政支出の規模は7兆2千億円。これを基にして国民、企業が利用できる追加対策の総額を示す事業の規模でみると、24兆4千億円になった。

 当初、政権が見込んだのは、前の政権がまとめた09年度1次補正予算の執行を一部凍結して確保した2兆7千億円を含め、財政支出が4兆円、事業規模は20兆円前後だった。膨らんだ。

 追加対策では、老朽化した橋の補修など身近な公共事業を地方自治体ができるようにする。地域経済を下支えしようというものだ。

 地方支援とともに追加対策の柱にした雇用の維持では、企業に補助する雇用調整助成金の支給要件を緩やかにした。中小企業への資金繰り支援を厚くした。

 環境も柱に据え、省エネ家電の購入を促す「エコポイント」の継続のほか、省エネ対策をした住宅の新築などが対象の「住宅版エコポイント」も創設する。

 今後問われるのは、これらの対策で冷え込んだ消費を刺激できるか、デフレなどに後押しされて財政支出や事業の規模が拡大したのに見合う景気へのテコ入れ効果があるかどうかだ。

 政権はそもそも、今回の追加対策に必要な財政支出は抑え、本予算案に民主党が政権公約に掲げた政策を盛り込めるようにするつもりでなかったか。

 だが、追加対策は、民主らしい政策を打ち出せたといえない。おまけに、09年度の一般会計の税収は、当初の見積もりに比べ9兆円以上も少ない37兆円弱まで落ち込む見通しだ。

 この財源不足を穴埋めしたり今回の追加対策に充てるため、09年度の国債発行額は初めて50兆円を超え、借金が税収を上回る。あおりで本予算案編成は深刻な財源不足に直面しそうだ。

 平野博文官房長官は、追加対策をめぐって「事業の執行側、財政規律を求める側が議論することで予算が磨かれる」と述べたようだが、亀井氏に振り回され、司令塔が不在で閣内の意見をまとめられない、というのが実情ではないか。

 首相は、こんな閣内の不協和音で政権や政策の運営に支障が出ないよう指導力を発揮し、本予算をしっかり編成すべきだ。追加対策では触れていない中・長期の経済戦略も示すべきだ。


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