| 2009年12月7日(月) |
中泊町の津軽北部木材加工協同組合が事業を停止し、運営する県内最大規模の製材加工工場も操業が止まった。負債総額は約12億円に上るという。 組合は製材会社代表の成田一憲県議を中心に製材5社が事業を集約した。新工場はヒバの先細りや国産材の需要低迷など製材業界を取り巻く厳しい状況の中で地元に豊富なスギに活路を求めた。生き残りを懸けた選択だったはずで、事業停止は残念というしかない。 県などによると1995年には300カ所超えていた県内の製材工場が2007年には半減したという。 津軽地方のスギは「秋田スギ」という強力なブランドに押され、原木のまま流出。下北、津軽両半島のヒバは東北森林管理局の方針で伐採量が激減している。県南地方の輸入材製材も原木価格が上昇し、衰退してしまった。 県内の製材業界は長いトンネルに入ったままだ。津軽北部木材の事業停止は県内製材業界の苦境をそのまま映し出したといえる。問題点を洗い出し、業界再生の処方せんを探りたい。 津軽北部木材加工協は経営悪化の理由としてスギ製品価格の低迷や建築需要の縮小、安価な輸入材との競合などが挙げられている。 ただ操業当初から販路開拓に苦戦し、やりくりを迫られていたといわれる。 木材業界は住宅メーカーから施工業者、製材、素材(原木)生産まで縦割りの系列化が進み、新設工場が食い込んでいくのは容易ではない。大型施設で生産能力が高いだけに営業努力は十分だったのか。 県内のスギ人工林面積は約20万ヘクタールと全国4位。組合は地元に豊富なスギに狙いを定めていた。工場の年間生産能力はスギ2万立方メートルに対しヒバ1万立方メートル。ところがスギの製材品価格はこの10年で2割ほど下落してしまった。 製材工場が完成した98年には東北森林管理局が、それまで年間10万立方メートル以上だった青森ヒバの伐採量を大幅に減らす計画をまとめた。資源量の減少や環境問題が理由という。 スギ、ヒバの誤算は痛手だったが、もともと事業計画に無理はなかったのか。 工場は大型だが、なかなかフル操業は難しかったという。総工費は約12億円。半額を国、県、町が補助している。需給バランスからいって規模は適正だったのか、検証の必要がある。 07年、県内の新築住宅は約6千戸にとどまった。99年には約1万2千戸だったから、ほぼ半減した。景気低迷などが影響しているとみられる。木材需要が落ち込んだ要因だが、対策はないのか。 森林・林業問題について積極的な発言が目立つ菅直人副総理兼国家戦略担当相は11月下旬、鳩山由紀夫首相を本部長とする「森林・林業再生本部」の設置を検討していることを明らかにした。「国土の7割以上が森林で覆われているのに木材自給率はわずか20%」と危機感を募らせたという。 製材業界はもはや国の強力な支援がなければ立ちゆかない状態に陥っている。輸入材の代わりに国産材の需要を拡大し、自給率を引き上げるしか打開策は見当たらない。国は本腰を入れてほしい。 |