| 2008年6月4日(水) |
親しい関係にある男女間の暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)について、高校生は知識が十分でなく、無意識のうちに相手を傷つけている例があるようだ。まず相手を思いやる心を育てることが大切だ。 DVといえば、殴る、けるなどの肉体的な暴力を思い浮かべがちだが、それだけではない。言葉での暴力や心理的な暴力、性的な暴力、お金を払わせるなどの経済的な暴力など、さまざまな種類がある。決して特別なことではない。むしろ最近は暴力を振るうといった直接的なDVよりも、相手を支配下に置き、コントロールするといった言葉の暴力の方が多いという。 またDVは夫婦間の暴力がクローズアップされることが多いが、高校生や大学生などの若い世代による、婚姻関係がないデート相手とのさまざまな暴力も、デートDVと呼び、根っこは同じだ。 県は二〇〇五年度から三カ年にわたって、DVを予防するため、県内の高校生を対象に「思いやりを考えるハイスクールセミナー」(DV予防啓発ハイスクールセミナー)を実施。受講した生徒を対象にアンケートを実施してきた。 アンケート結果を見ると、暴力的な行為をしたことがある、暴力的な行為をされたことがあると答えたのは、ともに三割強だった。 暴力的な態度や行動で相手を支配しようとする、DVに似た関係は若いうちから形作られており、将来それがDVになってしまう恐れもある。 ハイスクールセミナーは、青森市の特定非営利活動法人(NPO法人)の「ウイメンズネット青森」が各校を回って実施した。デートDVについて高校生に分かってもらうため、高校生がカップルになってせりふを話すロールプレー「これってデートDV」を行うほか、DVの暴力の種類、相手を尊重することの大事さを学ぶなどのプログラムとなっていた。 高校生の感想を読むと、「ちょっとしたことでDVになるなんて驚いた」「暴力だと思っていなかったことも暴力に入っていてびっくりした」「DVをされると心に傷を負ってしまうということが分かった」など、初めてDVに気付いたという生徒が多い。 また「メールを見られることもDVだとは知りませんでした。メールをチェックされ、しつこく聞かれたことがあり、それは好きだからしてくることだと思ったので、あまり気にしていませんでした」という体験談もあった。 DVは新しい概念であり、家庭内で親から子へと教えられることが少ないのだろう。だからまずDVとはどんな行為を指すのか、また相手からの行為がDVに当たるのか、気付くことが必要になる。 県では高校でのDV予防啓発セミナーは三年で終え、高校の教師向けのDV予防学習の手引を作製。新年度から中学生を対象としたセミナーを開く。 夫婦のDVを見て育った子どもは、それが当たり前だと思い、成人してから自分もDVを行う例がある。まずDVは相手の人格を否定する、だめなことだとの意識を、小さいころから植え付ける必要がある。 |