2008年2月16日(土) 東奥日報 社説



■ “追試”に合格の前なのに/再処理、最終試験へ

 日本原燃が六ケ所六ヶ所再処理工場で行っている試運転は、五つの段階に分かれている。原燃から第四段階の試験が終わったと報告を受けた経済産業省の原子力安全・保安院は、試験結果は十分でないから追加報告するよう条件を付けながらも、最後の第五段階に進むことを認めた。

 追加報告という“追試”を課しながら、追試の成績がどうなるか分かる前に合格扱いして進級させる。そんな変な手順で、極めて重要な最終試験入りを認めていいのか、安全性は大丈夫かという疑問、不安を抱く県民が少なくないのではないか。

 試験結果は不十分だと国が判断したのは、使用済み核燃料を再処理して出る高レベル放射性廃棄物(廃液)とガラスを混ぜて固化体を製造してきた昨年十一月からの第四段階で不具合が起きているからだ。

 溶かしたガラスと廃液を混ぜた後、容器に流し込んで固化体にする途中でガラスの粘性が高まり、流し込みにくくなっているなどが不具合の中身だ。

 原燃は、粘性が高くなっているのは、廃液に含まれる金属が流し込み口の近くにたまっているためとし、かき混ぜれば不具合は防ぐことができると国に報告している。だが、これは「見通し」だ。実際に混ぜて効果を確かめたわけではない。

 原燃は、不具合を受けて固化体の製造試験を中断して点検中だ。点検もカメラによる確認も終わってはいない。なのに「固化体の製造や安全面に問題はなかった」と国に報告した原燃の姿勢も腑(ふ)に落ちない。

 第四段階の試験を審議した総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の小委員会が、原燃の説明に「具体性がない」とみたのは当然だろう。

 小委の評価を受けた国も、固化体の製造試験を再度行って結果を具体的に報告させる追試が必要と判断した。だが、これは第四段階で解決できない問題が残ったことを意味する。

 高レベル廃棄物を固化体にして容器に安全に閉じ込め、最終的に地下深く埋められるようにするのは、ウラン資源を繰り返して使うという国のエネルギー政策の柱である核燃サイクル事業の成否にかかわる技術だ。

 その技術を磨く固化体製造の工程はトラブルが起こりやすいとされる。それだけに、試験で見つかった課題を一つずつ克服していくのは、機器や設備の性能を高めて安全性を確保するのに欠かせないことだ。

 だが、国は変則的な形で合格扱いし、原燃は既に第五段階の試験に入った。なぜそうなったのか。県は国や原燃に詳しい説明を求め、県としての受け止め方を県民に示すべきだ。

 二十二日に開会する県議会も国や原燃の姿勢、県の見解を厳しくただしてもらいたい。

 再処理工場の試運転が始まって間もなく二年になる。試運転の後に控える本格操業は二〇〇七年八月開始の予定だったが、トラブルや今回の不具合も重なって〇八年度にずれそうだ。

 だからといって、遅れを取り戻そうとして原燃が追試を急いで済ませようとしたり、国が追試の成績を甘く採点するようなことは決して許されない。県民から厳しく糾弾されるだろう。


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