| 2007年2月10日(土) |
八戸市はお年寄りが元気だ。昼間、市の中心街で買い物や食事をする年配の方をよく見かける。夜、長横町を中心とした歓楽街ののれんをくぐると、白髪のかっぽう着のおかみさんが「おんでやんせ」と柔らかな物腰で迎えてくれる。 八戸市は、中心街の周囲に住宅街が広がり、徒歩で街に出てくる人が青森市など県内他都市に比べ目立つ。 戦後から高度経済成長期にかけ、中心街の周辺に、区画整理や業者による土地開発などで住宅街が連続する形で形成され、二十分ほども歩けば、中心街に出られる住宅地が多い。このため、比較的年配の方でも、気軽に中心街に出かけられ、顔なじみの店をつくっている。 ただ、街に集まる人数は、バブル期以降は減り続けている。その要因の一つは、車で来る客には不便な点が多いこと。大型の駐車場はデパートや大型テナントビルが主で集中しやすく、空いている中小の駐車場はわかりにくい。道は一方通行が多く、狭い。初めて訪れる人はもちろん、八戸市民でも苦労することがある。車を使う若者やファミリー層を郊外大型店に向かわせる理由を作ってしまった。 一月二十七日、小林眞八戸市長は新年度から中心市街地の新たな活性化基本計画策定に取り組むことを表明した。市が三日町に「地域観光交流施設」(仮称)をつくり、それと一体に、さくら野百貨店八戸店など隣接商業施設が整備することで市や地権者らが基本合意。再生へ向けた新たな局面を迎えた。 これまで、市や商議所を中心にまちづくりの提言はさまざまになされてきたが、これを契機に統一した戦略が立てられることになる。 みろく横丁に代表される入り組んだ横丁や小路。夜そぞろ歩く左党には好奇心をそそられ新鮮な印象がある。それをさらに昼間の買い物や散策にも発展させ、発見と創意にあふれる小空間や通りを街中、さらにはビルの中にも形作る−。歩いて楽しい街に、というコンセプトは関係者の共通認識になりつつある。それを市民が納得できる青写真にしなくてはならない。 散策を楽しめる街をつくるには、公共交通、特にバス路線の整備に率先して取り組む必要がある。十分おき、二十分おきなど覚えやすい時間に、中心街の決まった場所から市内各方面に出入りするバス路線をつくることが第一歩。足代わりに使えるように、運行業者とルート再編を煮詰めてほしい。 歩きやすい道にするため、電線地中化や歩道段差の解消を図るのは筋道だが、費用が少なくてすむ方法を考えたい。思い切って歩行者専用道路を造ったり、ポイントに植栽や休憩場所を置くことでも工夫はできる。 もちろん車によるアクセスも考えなくてはならない。ただ、駐車場は中心街から一街区か二街区離れた所に集中させ、車を降りて街へ向かう道を飽きさせない演出ができればいい。 えんぶり、三社大祭、港町、城下町。懐かしさと新しさが混然一体となった街に売り物はたくさんある。そうした街が発信する夢を気軽に拾い歩けるような再生計画を立ててほしい。 |