| 2005年1月19日(水) |
東京電力が、むつ市に計画している使用済み核燃料中間貯蔵施設の安全性をチェックする専門家の検討会が十八日開かれた。 中間貯蔵施設は建設に向け動きだそうとしているが、中間貯蔵が終わった五十年後に、使用済み核燃料は施設外に搬出されるのか、むつ市の施設で永久貯蔵となる恐れはないのか、安全性を含め、なお不安の種は尽きない。 計画によると、東電と日本原子力発電などは、同市関根水川目地区に、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を、二〇一〇年までに一棟、さらにもう一棟を建設。全国の原発サイトから使用済みの核燃料を運び込み、合計五千トンを五十年間にわたって中間貯蔵する。 当初、東電などは中間貯蔵後の使用済み核燃料は、第二再処理工場に搬出すると説明してきた。 しかし昨年、原子力委員会の新長計策定会議がまとめた中間報告では、再処理路線の維持を打ち出す一方で、「中間貯蔵された核燃料の処理の方法は一〇年ごろから検討を始め、六ケ所再処理工場の操業終了までに決める」とされ、第二再処理工場についての記載が見送られた。 中間報告で第二再処理工場の建設は不透明となった。国や電力は中間貯蔵施設に永久貯蔵することはないと説明しているが、使用済み核燃料を施設外に確実に搬出するという担保とはなっていない。 もともと使用済み核燃料の中間貯蔵施設は、むつ市が〇三年六月に誘致を決議、積極的に動いた経緯がある。 一方の県は、国レベルで再処理路線の見直しが論議され、再処理事業が頓挫すると中間貯蔵された後の使用済み核燃料が永久貯蔵になりかねないこと、また六ケ所再処理工場で不良施工が見つかり、県民の間に不安・不信が高まっていたことに配慮して当初、消極的だった。 しかしその後、新長計策定会議の中間報告で再処理路線の維持が決まり、六ケ所再処理工場も修理を終え、昨年末には劣化ウランを使ってのウラン試験が始まるなど情勢が変化。立地検討へかじを切った。 使用済み核燃料の中間貯蔵は、電力からすれば喫緊の課題だ。 全国の原発五十二基から毎年千トンの使用済み核燃料が発生する。六ケ所再処理工場がフルに稼働しても年間処理能力は八百トン。さらに現在各原発サイトには使用済み核燃料がたまり続け、管理容量一万七千トンのうち、すでに一万千トンが埋まっている。二〇一〇年ごろには満杯になると見込まれ、原発の停止にも追い込まれかねない。電力には、各原発サイトにたまっている使用済み核燃料を搬出するため中間貯蔵施設を急ぐ事情がある。 またむつ市も三月には周辺の三町村と合併するが、財政事情は厳しい。年間一億四千万円の電源三法交付金が、中間貯蔵施設受け入れによって九億八千万円に増えることが見込まれており、むつ市も財政面から立地を進めたい理由がある。 中間貯蔵では使用済み核燃料をたる状の容器(キャスク)に入れ、空気で冷却する乾式貯蔵を行う。使用済み核燃料は各原発サイトでプールに保管しているが、これまで問題はなく、原子力施設の中では安全性は高いと言われている。 ただ十二日から始まった住民説明会では、スマトラ沖地震のような大津波が襲来したらどうするのか、地震が起きても大丈夫か、などの質問が出るなど、不安は根強いものがある。 検討会議はおよそ二カ月かけて、施設の安全性などを検討するが、地元では安全性に対する不安や、永久貯蔵にならないかと将来に対する不信感があることを踏まえて論議すべきだろう。 |