| 2002年3月20日(水) |
県と八戸市との間で予算措置などをめぐり、不具合が相次いで表面化している。通常であれば、事前調整がなされ共同歩調をとって進むはずが、いわば、異常事態となっている。市側に不満が募っているほか、事業の展開に影響を与えないかどうか、さらに、今後の県・市の信頼関係に響かないかどうか懸念される。 事態の背景の一つには、一般会計が過去最大のマイナス幅となった二〇〇二年度県予算のことがあると推察される。県税、地方税の落ち込みが主な要因だが、底流には、これまでの県予算編成あるいは県財政管理に際しての見通しの甘さがあるのではないか。県は現状と先行きをしっかりと見据えてほしい。 不具合の一つは、以前指摘した八戸市の八戸赤十字病院本館建て替えについての予算措置である。三十一億円の自治体負担のうち、県が無利子貸付金を含め十七億円、市が同様に十三億円とすることとなったが、県・市とも予算編成にもう時間がない大詰めの状況の中での決着で、空中分解する恐れすらあった。市側には、市議会も含めて負担がいかにも過重であるとして強い不満が残った。 不具合の二つは、今月十三日明らかになった、地域振興整備公団が八戸北インター工業団地に整備した試作開発型事業促進施設(貸工場)に対する入居賃料の助成である。事業採択に付随する基本方針の中で「県は市に対して補助に要する経費の一部を助成する」と明記されていたが、〇二年度県予算の中に市が見込んでいた県補助金八百二十五万円が計上されていないことが分かった。市は予定通り倍額の千六百五十万円を計上している。県担当課では「県内部で助成を検討してきたが、最終的に予算化しなかった」と説明している。市議会が約束反故(ほご)として怒っている。 不具合の三つは、県が八戸市に整備する八戸芸術パークである。当初は通常の県予算システムで建設するはずが、今後一−二年かけ民間資金を活用するPFI導入に切り替わった。これに伴い〇一−〇二年度で設計、〇三−〇五年度で工事、〇六年度開館のスケジュールが難しくなった。国が〇二年度、大規模施設の整備財源となっていた地域総合整備事業債を廃止することを決定したのが理由だ。いわゆる「箱モノ」だが、国側の制度変更により、県施設が出直しを余儀なくされた格好だ。 こうした中で、〇二年度県予算の歳出構造の一端が本紙報道で明るみに出ている。道路建設や公共施設整備に要する普通建設事業費は前年度比10.8%減の大幅減となったが、絶対額でも歳出に占める構成比でも、東北六県で最も高い。一般会計全体では、予算総額が過去最大のマイナス幅の前年度比3.7%減、公債費を除いた一般歳出が予算総額の減少を上回る同4.6%減となっている。 県財政当局は〇二年度予算について、ハード事業積極対応からの転換点としている。しかし、同年度末の県債残高見込額は一兆二千二百億円にまで膨らむ。転換点とするのは、当然というより、遅すぎたのではないか。国の公共事業に呼応してきた、一時の積極財政のつけが回ったとみえる。県財政をやり繰りしての「箱モノ」建設も限界に来ているのではないか。 県基金残高も一九九四年度の千八百三億円をピークに減少し続けている。〇二年度残高は八百十六億円となり、千億円近くも激減している。現行制度で現在の各種施策を計画通り推進した場合、〇四年度にも底を突きかねない。八戸市の例のような市へのしわ寄せは、いわば「県財政急激圧縮ショック」だ。県予算、県事業自体の見直しが先だ。経済状況好転の明確な兆しは見えていないのである。 |