Web東奥・社説20010704
  
2001年7月4日(水) 東奥日報 社説



■ 自転車は“歩行者”ではない

 自転車に乗る時は規則に従い、マナーを守ってもらいたい。

 至極簡単な注文なのに、一部の人たちがこれを無視し、結果として交通の妨げになっている。

 交通事故の多くは車側の不注意や過失によるが、中には、自転車の危険な乗り方が事故を誘発したケースも、確実にあるという。

 幸い事故には至らないまでも、間一髪で自転車を避け、ゾッとした経験が、ドライバーなら一再ならずあるはずだ。

 こうした状況を受け弘前交通安全協会は六月、弘前市で「自転車マナーアップ大会」を開いた。

 しばらくやめていたのだが、五年ぶりに開催した。関係者の危機感の現れ、と受け取ってもいいのではないだろうか。

 事実、弘前署管内では自転車の関係する事故が、少なくない。

 同署によると、六月末までの半年で、管内の人身事故は七百十三件。うち被害者など自転車の関係したものが百十件で全体の15・4%。県平均(9・5%)の約一・六倍の比率になっている。

 重ねて言うが、多くの事故の責任は車にあり、大半の自転車の安全問題などを考えてみたい。

 まず同市は自転車の数が多い。街がコンパクトにまとまっているため、他市に比べて自転車の利用価値が極めて高いからだろう。

 次いで、城下町特有の入り組んだ狭い道が挙げられる。自転車も大変だが、避けて走るドライバーはハンドル操作に神経を使う。

 そして最後はマナーの問題。自転車に乗れば歩行者ではない、と認識しているのか心配になる。徒歩の延長のような感覚で狭い道の右側を走り、一方通行を逆走するのではないか。

 まさにわがもの顔。特に高校生など若者の規則無視は、目に余るものがある。

 三、四台の横並び走行、車の直前横断、深夜の無灯火、雨の日の片手傘さし運転…。一歩誤れば事故に直結することばかりだ。

 共通しているのは徹底的な「甘え」であるように感じられる。

 自分はルールを無視するが、車の方が必ず避けてくれるはず、と信じて疑わないようだ。驚くほどの無防備さ、と言えば言い過ぎだろうか。

 事故に遭わないのは、運動神経で体をかわしているからだ、という指摘を聞いた。安全教育のさらなる徹底が求められる。

 関係者が一番気に掛けているのは、高齢者の自転車だという。

 例えば道路を横切る際、走りながら振り向いて安全を確認するのは厳禁。横断する時や交差点では必ず一旦止まり、左右の安全確認をしてほしい。

 やめてほしいのは狭い道の右側走行だ。「前から来る車を見ながら走るのだから安全」と錯覚しがちだが、それは間違いという。

 互いに進むため、見つけてから遭遇まで、予想外に早い。油断すればぶつかる恐れがある。

 何よりも、右側を走って交差点に入るのが一番危険だ。出合い頭の衝突が非常に多いという。

 実は自転車は法律上は自動車の運転と同じ。違反には道路交通法の罰則が適用される。

 「酒酔い運転」は二年以下の懲役か十万円以下の罰金。「信号無視」「一時停止違反」「右側通行」は三カ月以下の懲役か五万円以下の罰金。「無灯火」「傘さし運転」など五万円以下の罰金。「二人乗り」「二台以上の並走」が二万円以下の罰金または科料−。

 悪質な場合は検挙される例が、全国的に増えているという。

 弘前に限らず県内各地でセミナーや街頭指導に力を入れ、反射材の活用推進など対策に躍起。身に覚えのある人は「自転車は車両」を、再度、肝に銘じてほしい。


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