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  • 2018年5月5日(土)

柔軟に解釈する見識を/土俵と女性

 土俵に女性が上がることを認めていない大相撲は、その慣習を見直し、歴史的な方針転換に乗り出すべきか、あるいは伝統を守るべきか。「土俵と女性」の問題について、日本相撲協会が臨時理事会で話し合った。今後は市民の意識調査を行い、外部の意見に耳を傾けながら本格的な検討を進めるという。

 春巡業の開催地となった兵庫県宝塚市の女性市長が土俵上であいさつすることを希望したのに対し、相撲協会は伝統を理由に断った。市長はしきたりを見直す議論の開始を求め要望書を提出した。

 相撲協会の姿勢は女性蔑視ではないかとの批判の声は今、かつてなく大きい。公益法人として幅広い検討に乗り出すことを余儀なくされた。協会は習わしについて、将来にも目を向け柔軟に解釈する見識を示してほしい。

 大相撲の形態、例えば相撲部屋の仕組みや、力士の土俵での立ち居振る舞いなどは江戸時代後期にはほぼ整っていたようだ。一般の女性が文化や芸能の活動に携わることなどほとんどなかった時代、男性がほぼ全ての決定権を持っていたころの話だ。時代は進み、男女同権の意識と女性の社会進出が広がる中、市民に広く愛される国技のしきたりについて、ここで立ち止まり、じっくりと考えてみるのはとても有意義なことだ。

 多くの親方と力士は土俵に女性を上げないのは伝統の一部であり、このしきたりをやめることは、自分たちの伝統文化を否定することにつながると考えている。一方で、あいさつや賞の授与の目的で土俵に上がることは、神聖な戦いの場を汚すことにはならないとの反論が相次いでいる。

 取組と表彰式を切り離して考えたらどうだろう。本場所千秋楽の結びの一番を終えたならば、土俵はもはや男の神聖な戦いの場ととらえず、勝者をたたえる祝福の場とみなしてもよいのではないか。

 フィギュアスケートの競技会では五輪も含め、熱戦を繰り広げたリンクの上にカーペットを敷き表彰式を行う。同様に千秋楽では土俵の上に美しいカーペットを敷き、優勝力士を表彰してはどうか。

 既に複数の女性文部科学相が誕生しているし、日本にもいずれは女性首相が誕生するはずだ。大相撲のさらなる発展を考えたとき、いつまでも表彰式で女性のあいさつを拒み、賞の授与を禁じていてよいのだろうか。

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