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  • 2018年3月14日(水)

地域再生 さらに歩みを/震災7年

 岩手、宮城、福島、そして本県に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から7年が過ぎた。各地で追悼行事が行われ、県内でも八戸市などで、慰霊祭や防災意識を高める催しがあった。

 復興が進展し、津波で浸水した6県の農地や、北海道を含む7道県の漁港は9割近くが回復、本県は農地、漁港全て復旧している。八戸市から仙台市までの沿岸部を走る復興道路と、内陸と沿岸を結ぶ復興支援道路は整備率が5割を超えた。3県の鉄道は9割以上が運行再開した。

 震災の教訓を踏まえた災害対応も活発になっている。自治体が企業などと結ぶ応援協定が2017年までの6年で全都道府県で増加。本県は47件から94件と2倍に増えた。

 一方で、地域を支える企業や事業者には、失った販路の開拓や人手不足の壁が厚く立ちはだかる。被災地の人口流出も深刻だ。

 7年という歳月が過ぎたにもかかわらず、被災地の暮らしや産業などに課題がなお残ることは変わらない。復興が進むにつれ、心のケアなど新たな問題も生まれている。真の復興、地域再生へ向けて歩みを止めるわけにいかない。

 被災者の無念を思わせるのは、プレハブ仮設住宅で最期を迎え、暮らしの再建に踏み出せなかった人が1600人余に上ることだ。被害が大きい3県沿岸部を対象に共同通信が集計した数字だ。居室での病死や、体調を崩して入院先で死亡するなどのケースがあるという。

 また、3県沿岸の仮設で暮らす被災者のうち、少なくとも約5%に当たる800人近くは転居先が未定で、退去のめどが立っていない。

 仮設入居が長引くのは、原発事故で避難指示が出され、故郷に帰れなくなった人などがいるためだ。高齢者の場合は、資力が乏しかったり、精神的負担が大きい引っ越しをためらうことがあるという。住まいは暮らしの基本であり生活再建の一歩となる。きめ細かな支援が必要だ。

 時の経過とともに「記憶の風化」がしばしば言われる。

 五所川原市のNPO法人が岩手県に赴き、被災者と交流を続けているという記事が本紙にあった。被災地に寄り添った活動を地道に続けている人たちがほかにもいる。震災への社会的関心が低くなっていくのは避けられないかもしれないが、その流れに少しでも抗(あらが)わねばならない。

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