• トップ
  • >
  • バックナンバー
  • 2018年2月7日(水)

住民の不安解消に努めよ/陸自ヘリ墜落

 佐賀県神埼市で陸上自衛隊のヘリコプターが2階建て住宅に墜落、炎上した。住宅に1人でいた女児は軽いけがをしたが、同じ敷地内の平屋に住む祖母と逃げ、命拾いした。現場は郊外に広がる農地の中の住宅密集地で、小学校や幼稚園もある。近くに墜落機が所属する陸自駐屯地があり、普段から上空をヘリが飛んでいたという。

 この事故でヘリの隊員2人が死亡した。原因はまだ分からないが、複数の目撃情報などから、飛行中に機体から異常音が響き、メインローター(主回転翼)が外れて、ほぼ垂直に落下したとみられる。飛行前の定期の整備点検に問題があった可能性もあり、陸自や警察などが解明を進めている。

 安倍晋三首相は小野寺五典防衛相に対し、同型機の当面の飛行停止と全てのヘリの徹底した整備点検を指示した。だが防衛省が、陸自に導入される輸送機オスプレイの佐賀空港への配備を目指す中、民家が巻き込まれる事故を目の当たりにした住民らの間に不安が広がっている。

 政府は、迅速に原因究明を進め、再発防止を徹底し、住民の不安解消に努めるべきだ。再発防止策などについて、具体的かつ分かりやすく説明することが求められる。

 国の安全保障を担う基地が、地元住民の安全と理解の確保を徹底することなしには十分機能し得ないことを改めて肝に銘じてもらいたい。

 自衛隊所属の航空機事故は2017年、死亡事故だけで3件と頻発している。訓練や整備の在り方に問題はないのか、検証が求められよう。

 このうち1件は8月に、本県の海自大湊航空基地所属の哨戒ヘリが、竜飛崎沖の日本海に墜落し、2人が死亡、1人が行方不明となった事故だ。佐賀県の事故を受け、本県の三村申吾知事は6日の定例会見で、自衛隊機が発着する基地を抱える県の立場から、一日も早い原因究明と再発防止の徹底を訴えたが、当然の反応だろう。

 佐賀県では事故やトラブルが相次いだオスプレイの配備計画を巡り漁協などが反対し、地元の調整が難航。山口祥義知事は受け入れの最終判断を保留している。政府高官は「今回の事故は配備計画に影響しない」との見方を示しているが、オスプレイとともに墜落機と同型のヘリも移駐されるとみられ、安全性を巡る議論を軽視してはなるまい。

モバイルサイトのご案内

広告掲載のご案内