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  • 2018年1月3日(水)

平和主義 問われる年に/2018年展望

 2018年の日本は、平和の誓いを実行に移せるかが問われる。

 今年、平和を守るとは、志や言葉だけではなく、戦火につながりかねない朝鮮半島の軍事的緊張をどう終結させるかという具体的な政策遂行の問題である。傍観者ではなく当事者として何をするべきか。憲法改正の議論が盛んになる中、平和主義を次世代に向けて改めて確認できるか。突き付けられる問いは重いが、正面から答えたい。

 今年は明治改元から150年の節目の年だ。150年の歴史を顧みれば、前半の日本は大規模な対外戦争を定期的に起こす軍事の国だった。日清戦争、日露戦争、そして中国大陸での泥沼の戦い、太平洋戦争と破局に向かった。道を間違えた理由は、大国競争の時代環境に流され、守るべき「開国和親」の原則を忘れ力を過信したからである。

 その反省から戦後70余年、平和主義を心に刻みこんで日本は成長した。中心となったのが、人々を戦火の犠牲にしないという決意であり、シンボルは平和憲法だった。

 しかし、日本は今、岐路に立つ。北朝鮮情勢は、今の圧力路線で北朝鮮が譲歩してこない場合、軍事衝突の懸念がさらに高まる。

 米国に足並みをそろえ、北朝鮮に対する制裁を強化し、孤立化の先頭に立つ安倍晋三首相は「制裁の効果は間違いなく出ている」と自信を見せる。だが、軍事衝突、戦争を回避するという決意はどうだろうか。「戦争は起こらないと思う」と政府高官は人ごとのように言う。

 しかし、朝鮮半島の核兵器、万が一の戦争が、地域、そして日本にもたらす災いを考えれば、外交で核・ミサイル問題を解決するという強固な決意を示すべきだ。鍵を握る中国、ロシア、韓国を巻き込んだ地道な外交こそ追求すべき道ではないか。

 憲法改正問題は今年、国民的な議論になりそうだ。だが集団的自衛権の行使が可能となり、米軍との協力が深みと広がりを見せる今、果たして安全保障上本当に憲法9条の改正は必要なのか、という根本の議論も終わっていない。

 これらの課題がどう決着するにしろ、トランプ、習近平(しゅうきんぺい)、プーチンという米中ロ3大国の首脳が角を突き合わせ、虚々実々の駆け引きをする世界で、平和主義こそ日本が誇れる最高の教訓であるということを肝に銘じたい。

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