• トップ
  • >
  • バックナンバー
  • 2017年11月11日(土)

国会での検証 なお必要だ/加計獣医学部認可へ

 加計学園の獣医学部新設について、文部科学省の大学設置・学校法人審議会は認可するよう林芳正文科相に答申した。近く認可される。国家戦略特区制度を活用し、52年ぶりの獣医学部新設となる。来年4月には愛媛県今治市に新キャンパスが開設される見通しだ。

 しかし安倍晋三首相の長年の友人が理事長を務める加計学園が今年1月、国家戦略特区諮問会議で特区の事業者に選定されるまでの過程で、首相の側近や内閣府が文科省に圧力をかけたとされるなど、数々の疑惑がなおくすぶる。

 早期開学に向け、首相側近が当時の文科次官に働きかけたり、「総理のご意向」を盾に内閣が文科省に対応を迫ったりしたとされる経緯については当事者間の言い分がかみ合わず、新たな証言や文書でも出てこない限り、解明は難しいだろう。だが、やるべきことはまだある。

 加計学園の計画が、2年前に閣議決定された獣医学部新設の4条件を満たしているかを国会で徹底検証することだ。設置審の審査過程もチェックする必要がある。森友問題もあり、行政の公平公正が大きく揺らいでいる。なし崩し的に決着させることは許されない。

 獣医師が過剰にならないよう長年認められてこなかった獣医学部の新設に向け政府は2015年6月、「獣医師の需要動向を考慮する」などの4条件を閣議決定した。

 しかし、特区の事業者選定を巡って、諮問会議の議事要旨などの公表資料からは、加計学園の計画が4条件を満たすかを詳細に議論した形跡がうかがえない。

 一方、獣医学部設置の可否を審査する設置審は今年5月、獣医師の需要に関する学園の説明が不十分などと指摘。定員を160人から140人に減らすなど学園側が修正した計画に対しても8月、実習計画に多くの課題があるとして、当初予定していた最終判断を保留した。再度の修正を経て今回の答申に至ったものの、定員の厳格な管理や実習の質的・量的拡充など八つの留意事項が付いた。

 今回、文科省が審査意見や学園側の対応を公開したことで設置審の審査過程は、ある程度までたどることができる。だが諮問会議による事業者選定過程には不明な点が残る。国会では、首相が強調してきた「丁寧な説明」なしに国民の不信は拭えない。

モバイルサイトのご案内

広告掲載のご案内