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  • 2017年9月14日(木)

強引な意見集約避けよ/自民党の改憲論議再開

 自民党の憲法改正推進本部が約1カ月ぶりに議論を再開した。

 保岡興治本部長は憲法9条に関して、10月にも開く推進本部の全体会合で、議論のたたき台となる条文案を提示する考えを表明。安倍晋三首相(自民党総裁)が提唱した、戦争放棄の9条1項と戦力不保持の2項を維持したまま自衛隊の存在を憲法に明記するという「加憲案」に沿った内容になるとみられる。

 ただ全体会合では2項を削除すべきとの意見が出され、議論が集約に向かっているとは言い難い。党内がまとまらない改憲案で、国会の憲法審査会で幅広い各党の同意を得られるのか。さらにはその先にある国民投票で国民の理解が得られるのか疑問だ。強引な意見集約は認められない。

 そもそも自民党の議論は、改憲を前提に、条文をどう変えるかという点に集中している。自民党も堅持するとしている「平和主義」の基本理念を具体化する安全保障政策を描き、自衛隊の活動や国際貢献への関与はどうあるべきかという根本の議論は置き去りにされたままだ。理念に基づいた安保政策を踏まえて改憲の必要性を検討する、骨太の論議を求めたい。

 首相は8月、内閣支持率急落を受け、政権運営に謙虚に取り組む姿勢を強調した。改憲論議も「スケジュールありきではない」と表明。9月召集予定の臨時国会に自民党の改憲案を提示するという当初目指した日程に固執しない考えを示した。

 ただ、基本的な姿勢は変わっていないように思える。保岡氏は、9条を含めた改憲案を臨時国会に提示することを視野に党内調整を本格化させる考えを示した。

 自民党の推進本部は9条、教育無償化緊急事態条項新設、参院選の「合区」解消の4項目に絞り、8月初めまでに議論を一巡させたが論点は多岐にわたり、議論はまとまっていない。再開した全体会合は9条を巡る2回目の議論だったが、見解の対立は鮮明になったと言えよう。

 加憲案を支持する声に対して、2項を改正し戦力の不保持や交戦権否認を削除した2012年の党改憲草案を尊重すべきだとの主張も根強い。両論を併記して提示し、公明党との与党協議を先行させるよう求める意見も出た。しかし、党内の議論を棚上げする両論併記は責任ある政党の姿勢とは言えまい。

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