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  • 2017年8月9日(水)

包括的な依存症対策を/カジノ規制

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の運営ルールに関する報告書を政府の有識者会議がまとめた。ギャンブル依存症や治安悪化の懸念が根強いため、マイナンバーカードを使い日本人の入場を制限したり、入場料を取ったりする「世界最高水準のカジノ規制」を盛り込んだという。

 政府は来週から公聴会を開催し、住民や事業者らの意見を聞きながらIR実施法案の作成を進め、秋に想定される臨時国会への提出を目指す。

 ただ、世界最高水準の規制といっても、入場回数の上限など具体的な中身は、まだ何も決まっていない。普及率が低いマイナンバーカードで入場回数などの確認や管理ができるのかという疑問の声もある。中身はともかく、規制のメニューを多く並べ、実施法案成立の環境づくりを急いでいるようにしか見えない。

 各地の自治体がIRの誘致に名乗りを上げ、海外のカジノ業者も参入に意欲を示している。政府が最優先で取り組むべきは、カジノはもとよりパチンコや競馬なども含めた包括的で実効性のある依存症対策を整備することだ。

 有識者会議がまとめた制度概要によると、全国で2、3カ所の選定が有力視されるIR区域一つにつき、カジノ施設は一つに限定。国際会議場やホテルといった施設との一体運営を義務付ける。

 カジノ事業は免許更新制とし、政府内に新設される「カジノ管理委員会」が暴力団との関係などを審査。マネーロンダリング(資金洗浄)や法令違反といった問題があれば免許を取り消す。

 最も注目された依存症対策では、日本人入場者にマイナンバーカードの提示を求め、入場回数を確認・制限するほか、本人や家族の申告で入場を規制できるようにする。

 政府はカジノをあくまでIRの一部とし、IR全体による経済効果を強調する。ただ採算を取るのが難しいといわれる会議場などの運営をカジノの収益で支える仕組みになっており、依存症対策でどこまで踏み込めるか不透明さが残る。

 警察庁はパチンコの出玉の上限を抑えるなど、風営法施行規則などの改正案をまとめた。パチスロにも同様の規制を掛けるという。カジノ解禁により予想される依存症の深刻化に対処するためだが、カジノとパチンコ、競馬なども含めたギャンブル全体について規制を検討すべきだ。

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