• トップ
  • >
  • バックナンバー
  • 2017年6月20日(火)

政府は世論を正視せよ/内閣支持率急落

 加計(かけ)学園問題や「共謀罪」法を巡り「説明責任」と「熟議」を放棄した安倍政権に国民の視線が厳しさを増している。共同通信の世論調査で内閣支持率は44.9%となり、前回5月から10.5ポイント急落した。加計学園の獣医学部新設計画で「行政がゆがめられたことはない」とする政府の説明には73.8%が「納得できない」と回答した。

 共謀罪についても、与党が参院法務委員会の採決を省略し成立を強行したことに67.7%が「よくなかった」と批判。過去に特定秘密保護法安全保障関連法の成立直後に支持率が急落したことはあったが、今回は個別の政策ではなく政権の姿勢そのものに国民が不信を深めた結果で、より深刻な状況といえよう。

 政府は世論を正視すべきだ。安倍晋三首相の昭恵夫人の存在が焦点となった森友学園問題で噴き出した数々の疑問には説明や調査を拒み、ひたすら「問題ない」と繰り返した。加計問題では世論の反発で文部科学省が再調査に追い込まれたが、不都合な事実にふたをしようとする姿勢は変わらなかった。与党は野党が求める閉会中審査や証人喚問を拒んでいるが、それでは不信を払拭(ふっしょく)できない。

 加計問題を巡る一連の調査で真相が「明らかになったと思う」は9.3%にすぎず、84.9%が「思わない」と回答。自民、公明両党の支持層でも、それぞれ76.7%、80.0%がそう回答している。

 加計学園が国家戦略特区の愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を巡っては、文科省が再調査で「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」など特区担当の内閣府側の発言を記録した一連の文書の存在を確認し、内容を公表した。首相側近の萩生田光一官房副長官から指示があったようだとして、学園に有利になるよう獣医学部新設の要件が修正された経緯を記したメールも出てきた。

 だが内閣府は、1日足らずの調査で「内閣府から総理の意向とは一切言っていない」と主張。要件の修正は「山本幸三地方創生担当相の判断」として、文科省の調査結果と食い違っている。

 森友問題も含め、首相とつながりのある人が特別扱いを受けたのではないかとの疑念は深まり、行政の公平性と透明性が問われている。疑念に対し、説明を尽くすという当然の責務を果たすことが政府には求められている。

モバイルサイトのご案内

広告掲載のご案内