• トップ
  • >
  • バックナンバー
  • 2017年3月18日(土)

安定的皇位継承へ議論を/天皇退位国会見解

 天皇陛下の退位に向けて、衆参両院の正副議長は、陛下一代に限り退位を可能にする特例法の整備が望ましいとの国会見解を取りまとめた。皇室典範改正による退位の恒久制度化を主張していた民進党も容認した。17日、大島理森衆院議長らが安倍晋三首相に内容を伝達した。政府は5月の大型連休後を視野に法案提出を目指す。

 合意形成で焦点となったのは、制度化との隔たりをどう埋めるかだった。見解は法律名を「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」と定め、典範の付則に、特例法は典範と「一体」をなすと書き込む案を提示。これによって将来の天皇退位の先例になり得るとしており、民進党の主張を取り入れた形になっている。

 さらに民進党が求めていた「女性宮家創設」にも言及。安定的な皇位継承を確保するため政府が速やかに検討を加えるべきだとの共通認識に至ったとした。ただ検討の期限については「明示は困難」「1年をめど」と両論を併記し「各政党・各会派間で協議し、付帯決議に盛り込むなど合意に努力してもらいたい」と述べるにとどまった。

 退位を実現する特例法は今国会中に制定される見通しとなったが、それに続く安定的な皇位継承を巡る議論の先行きは不透明だ。当面の対応にめどがついたことで見直しの機運がしぼみ、先送りとなるのは避けたい。

 憲法は皇位について「主権の存する日本国民の総意に基く」と定めており、総意の形を整えるため、見解は特例法を主張する与党と、典範改正を訴える民進党の双方に配慮した折衷案の色合いが濃いものになった。まず各党派が「典範の改正が必要という点で一致した」と明記。正副議長4人の考えとして、典範の付則に特例法の根拠規定を置くのがよいとした。

 今年1月、安倍首相が正副議長に与野党論議を要請して以来、取りまとめまで相当な労力が費やされたのは想像に難くない。ただ女性宮家創設を含め、皇位の安定継承という課題は積み残しになった感がある。見解は政府に検討を委ねたが、首相は女性宮家に否定的だ。自民党内の慎重論も根強い。

 とはいえ、皇族の減少は差し迫った問題となっており、新たに与野党協議の場を設けたり、スケジュールを組んだりするなど早急に議論に道筋をつける必要があろう。

モバイルサイトのご案内

広告掲載のご案内