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  • 2017年3月12日(日)

生活再建加速させたい/東日本大震災6年

 岩手、宮城、福島や本県に大きな被害をもたらした東日本大震災の発生から6年が過ぎた。

 避難者は震災直後の推計47万人から12万人余に減少したが、プレハブ仮設住宅で暮らす被災者は3万人を超える。阪神大震災で、仮設住宅が5年で入居ゼロとなったことと比べれば対応は遅れている。

 東奥日報社加盟の日本世論調査会が2月に行った調査によると、被災地の復興について、順調に進んでいると思わない人が55%で、順調と答えた43%より多かった。安心して生活できる街の整備を急ぎたい。

 被災地の災害公営住宅は計画の8割ほどが整備された。八戸市から仙台市の沿岸部を縦断する復興道路と、岩手、福島両県で沿岸と内陸を横断する復興支援道路は総延長584キロのうち241キロが開通した。鉄道は9割以上が復旧した。

 今後は被災地の経済や住民生活の再建を加速させねばならない。ただ国や地方自治体はノウハウに乏しい。企業や経済団体、NPO、大学などから幅広く協力を得ながら、多様な施策を実施することが不可欠となる。

 企業の新規立地は遅れている。人手不足のため人材確保が難しいことが最大のネックだ。若い世代を中心に人口流出が目立つ。

 経済の再建には、若者らを呼び戻すために安定した仕事を被災地に増やすことを重視してほしい。まず今ある企業の底上げが重要となる。被災地外にある企業とのマッチングを通じて取引を増やし、雇用の増加につなげたい。

 企業やNPOが被災地の企業に人材を派遣したり、ボランティアやインターンが一定期間、仕事を手伝ったりする活動も広がっている。都会の若者らが地域を訪れ、生きがいを見つけて移住するという成果も期待できる。

 生活再建のため、高齢者らの見守りや街のにぎわいづくりの手助け、子どもたちの学習支援などに取り組んでいる企業やNPOがある。行政はこれらの活動を後押ししてほしい。

 行政のマンパワーには限界がある。全て自前で実施するのではなく、企業やNPOとの協働を通じ、住民から求められるサービスを提供するというスタイルに転換する時期に来ている。その手法を被災地で確立し、全国の自治体への展開が待たれている。

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