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  • 2017年1月12日(木)

「市民が主役」再認識を/立佞武多運行20周年

 今年は大型立佞武多(たちねぷた)が五所川原市の中心市街地で運行されるようになってから20周年の節目を迎える。

 立佞武多は1996年、明治時代の大型ねぷたの写真に魅せられた市民有志が約80年ぶりに復元した。「1回きりの挑戦」だったが大きな反響を呼び、98年からは毎年制作され、市内を練り歩くようになった。高さ約23メートルの大型立佞武多は見る人を圧倒。2015年には「復興祈願・鹿嶋大明神と地震鯰(なまず)」(福士裕朗さん制作)がブラジルのサンバカーニバルに出陣し、知名度が一気に高まった。

 祭りの盛り上がりとともに、乱暴な振る舞いをする「カラス族」によるトラブルが相次ぎ、一時は社会問題となった。しかし、主催する運営委員会が14年から、一般参加者の服装検査を徹底するなどした結果、カラス族は激減した。一方で若い人を中心に「ルールが厳しすぎてつまらない」といった声が高まり、祭り関係者からは「市民の参加が減ってきた」という指摘も出てきた。五所川原立佞武多は大きな曲がり角に差し掛かっているといえよう。

 市、五所川原商工会議所、市観光協会、五所川原立佞武多運行団体協議会などで構成する運営委は「祭りの主役は市民」という原点を再認識したうえで連携を強め「安全とにぎわいの両立」を目指し、地域住民や観光客がもっと参加しやすい祭りに進化させてほしい。運行20周年にふさわしい演出にも期待する。

 今年の新作大型立佞武多は「纏(まとい)」(鶴谷昭法さん制作)。終戦前後の1944年と46年に五所川原の中心部で相次いだ大火から復興を遂げた市民の「不撓(ふとう)不屈の精神」を勇壮なまとい振りで表現する。

 平山誠敏市長は今月4日の新春記者会見で、新作「纏」にちなんだ消防団のまとい振りによる先導や、新成人の引き手募集などの構想を披露。「趣向を凝らした運行で記念すべき節目を大いに盛り上げていきたい。立佞武多は五所川原市民に愛される祭りでなければならない」と意欲を語った。

 記念事業が少しずつ動きだしてきた。市観光協会は小中学生を対象とした「立佞武多下絵コンテスト」の作品を募集している。最優秀賞の作品を下絵とした高さ約5メートルの小型立佞武多を制作し、今夏の祭りで運行するという。次代を担う子どもたちの力作に注目したい。

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