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  • 2015年12月30日(水)

ブランド向上の起爆剤に/弘前大学白神酵母

 白神山地の樹木皮や落ち葉などから分離・選抜された酵母「弘前大学白神酵母」を使った商品の開発が、産学官連携で進められている。りんご酢やシードルが既に販売されているほか、12月には、同酵母を使って試験醸造した日本酒が六花酒造(弘前市)から限定販売された。

 また弘前大学が11月下旬、清酒の試験製造免許を取得したことで、弘大白神酵母を使った日本酒造りの研究と商品開発の効率化が期待されている。関係機関が同酵母の普及促進、白神山地の自然をイメージさせる商品開発をさらに進めることで、本県産加工食品や飲料のブランド力向上の起爆剤にしてほしい。

 弘大白神酵母は、弘大農学生命科学部の殿内暁夫准教授が、白神山地の樹木皮や落ち葉などから分離・選抜した酵母。弘前市の食品製造会社・カネショウが2013年6月、看板商品の「りんご酢」を同酵母を使ってリニューアルしたのが商品化の先駆けとなった。その後、同酵母を活用したシードルも販売されるようになった。

 同年、ひろさき産学官連携フォーラム内に「白神酵母研究会」が発足。酵母の普及とブランド化を目指した活動を進め、今年1月には「弘前大学白神酵母」を商標登録するとともにブランドマークを制定した。

 弘大白神酵母を使った日本酒の醸造は、比較的アルコール生産能力が高い「No.9株」を使用している。フルーティーな香りが特徴で、六花酒造が同酵母で醸造した日本酒は白ワインに似た味わいだという。殿内准教授は、酒造りに向いている他の酵母を見つけることで、消費者の多様なニーズに応えられるようになると考えている。

 弘大による清酒試験製造免許取得は県内の大学では初めてのこと。これまで、共同研究している県産業技術センター弘前地域研究所に出向いて行っていた試験醸造を、大学の研究室内で実施、その上で同研究所や酒造会社と共同開発を進めていくという。従来より多くの実験ができることで、弘大白神酵母による日本酒造りの研究や商品開発が加速するはずだ。

 免許取得は、本県の「知の拠点」として歩む弘大による地域貢献策の一環といえる。大学と企業、行政がスクラムを組み、地域経済活性化を目指す活動の今後の展開に期待したい。

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