2010年2月1日(月) 東奥日報  

田邊優貴子の南極だより

■ 動物たち/必死に生きる姿輝く

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ウェッデルアザラシ

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コウテイペンギン

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アデリーペンギン
 3週間過ごしたラングホブデ露岩域から調査地を移動し、1月9日にスカルブスネス露岩域にやって来ました。昭和基地から南に約50キロ離れたエリアです。

 寝泊まりしている観測小屋は海が目の前にある浜辺に建っており、天気のいい日は本当に素晴らしい眺めで最高の立地です。

 しかし、昨夜は風速毎秒25メートルもの風が砂と海水を巻き上げながら止まることなくごうごうと吹き続け、小屋をガタガタと揺らし、砂粒が打ちつけられる音が一晩中鳴り響きました。小屋ごと吹き飛ばされてしまうのではないかと、不安を感じながらの浅い眠りでした。

 とはいえ、南極の夏は天候が安定しており、崩れることはそれほどありません。この安定した時期、南極では動物たちが子育てシーズンを迎えています。

 よく見られるのは、アデリーペンギン、ユキドリ、ナンキョクオオトウゾクカモメ、ウェッデルアザラシで、海氷上ではコウテイペンギンにもたまに遭遇します。名前のごとく雪のように真っ白で美しく、つぶらな瞳を持つユキドリはとても憶病で、切り立ったがけのすき間に巣を作ります。

 
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ユキドリ

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ナンキョクオオトウゾクカモメ

 アデリーペンギンやナンキョクオオトウゾクカモメはとても好奇心旺盛で、私たちのことが気になるのでしょう、あまり怖がることなく近寄って来ます。特にアデリーペンギンは、二本足で立って歩く生き物に出合う機会がないせいか、少しためらいながらも興味津々に遠くから駆け寄って来ます。しかし、近づいて初めて仲間ではないと気づくのか、「グワッ」と鳴いて去っていきます。

 ナンキョクオオトウゾクカモメはくちばしや眼光鋭く、翼を広げると1メートル以上もあり、ペンギンやユキドリの営巣地のそばで雛(ひな)たちを虎視眈々(たんたん)と狙っています。そのせいもあってか、盗賊などという名前を付けられていますが、彼らもこの短い夏の間に雛を育て上げるのに必死です。

 どの動物たちも子孫を残し生きることに必死で、何も特別なことではなく、ただ当たり前のことなのでしょうが、私にとってはそれがとても輝きを放って見えるのです。

(2010年1月16日 昭和基地の南50キロ スカルブスネスにて)






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