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    ~8000歩の旅~
    八戸市・白山台
  • 囃子響く新興住宅地

 八戸市南部の丘陵地に広がる八戸ニュータウン。2002年に「白山台」と名付けられた県内有数の新興住宅地だ。日差しが照りつける7月中旬、地域で最も大きな建物・八戸圏域水道企業団を起点に、街を8の字に歩いてみた。(高松拓輝)

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▼194歩
写真白山浄水場を案内してくれた小野浄水課長と、水道企業団のシンボル・白山配水塔=地図(1)

 同企業団の敷地内、建物から少し離れた白山浄水場は2006年に完成。小野郷志浄水課長(58)が施設内を案内してくれた。「活性炭などを利用し、おいしさにも気を使っている」と、水の味には自信ありといった様子。通常、浄水場は高台に造られ、配水先との高低差で水を送る。しかし浄水場と同じ高台にある白山台の利用者に水を送れないため、高低差をつくろうと建設されたのが高さ約40メートルの白山配水塔。水道企業団のシンボルだ。

▼705歩
写真お薦めの季節粥を味わえる碧螺春。店主の早川さんの笑顔にも癒やされる=地図(2)

 企業団を後にし、住宅が並ぶ路地を進んだ。汗でワイシャツが肌に張り付く。おなかがすいてきたので、本場の中華粥(がゆ)が楽しめる「碧螺春(ぴろちゅん)」へ。好きな粥(海鮮粥除く)に小鉢、スイーツ、中国茶が付く美肌ジャスミンセット(1200円)を注文。お薦めの季節粥を選んだ。漢方食材を使ったとろり食感の粥が体に染み入る。本格的な中国茶が楽しめるのもうれしい。

 店主の早川めぐみさん(44)は「忙しさを忘れて体にいい物を食べ、くつろいでほしい」。心も体も満たされたところで、仕事で来ていたことを思い出した。今度は休みの日に来よう。重い腰を上げた。

▼3626歩
写真4月に開校した西白山台小学校。夏休みを目前に控え、児童の荷物は少々多め=地図(3)

 東北自動車道八戸線と並走するように南下し、しばらく歩くと、この春開校したばかりの西白山台小学校に。落ち着いたモダンな造りは小学校とは思えない。夏休み前で、たくさんの荷物を抱えた児童が下校していた。4年生の吉田愛さん(9)は「夏休みはプールでたくさん遊びたい」。同じく4年生の大石慶一郎君(9)は「2学期も友達をいっぱいつくりたい」と目を輝かせた。

▼6613歩
写真食パン専門店「一本堂」の大渡さん(右端)と従業員の皆さん。遠方から訪れる客も多い人気店だ=地図(4)

 小学校を離れ北東へ。やがて食パン専門店「一本堂 八戸白山台店」が見えてきた。昨年4月オープン。1日平均200人が訪れ、400斤の食パンが売れる人気店だ。弘前市など遠方から来る客も多いという。

 「いつもおいしいパンをありがとう、と言ってもらえる瞬間にやりがいを感じる」と店長の大渡敏一さん(49)。メニューは全部で8種類。朝食用にお薦めの塩味(380円)を買ったが、我慢できずその場で一口。もっちりとした食感がたまらない。

▼7913歩
写真山車制作とお囃子の練習に励む白山台山車組のスタッフ。疲れを感じさせない笑顔を見せた=地図(5)

 白い雲がオレンジ色に染まり始めた。住宅地を縫うように歩くと、「ヤーレヤーレヤーレ」の子どもたちの声と太鼓の音。白山台山車組が山車制作とお囃子(はやし)の練習の真っ最中だった。山車小屋では8人ほどが慌ただしく作業中。責任者の加藤靖崇さん(37)は「人手が少なく作業は本当に大変。でも本番で山車の仕掛けを展開した瞬間は心が震える。あの瞬間が忘れられなくて毎年また作りたくなるんだよ。その繰り返しなのかな」と目を細めた。

 山車小屋を出ると外はもう真っ暗。歩いて支社に帰る途中、威勢良い太鼓の音と笛の音色がずっと聞こえていた。