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    ~7000歩の旅~
    つがる市森田町
  • 丘陵に夏の便り

 大雨に見舞われた7月下旬、やっと雨が通り過ぎた午後に、JR陸奥森田駅から旅を始めた。駅周辺の散策から始め、南側にある、岩木山山麓の丘陵を上ることにした。(中川博志)

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▼667歩
写真自慢のリンゴジュースを手にほほえむ丹代青果の笹森さん(右)と販売員=地図(1)

 森田地区はリンゴ農家が多い。景気付けにリンゴを食べたいところだが、極早生(ごくわせ)でも収穫は8月10日ごろから。では缶のリンゴジュースを飲もうと丹代青果のリンゴ直売所「りんごのお家」に立ち寄った。缶も瓶もイラストがかわいい。笹森美奈子企画渉外部課長(43)は「味にも自信があります」と話す。「5品種のブレンドで、甘みはふじなど、酸味とコクはジョナゴールド、芳醇(ほうじゅん)な香りは生産量が少なく貴重なスターキングで出るんです」。すっきりしていておいしい。元気が出てきた。

▼1894歩
写真「触ってもいいですよ」と円筒土器を持ってみせる森田歴史民俗資料館の小山内さん=地図(2)

 森田中学校向かいの森田歴史民俗資料館に入った。ここは水・土・日曜日だけの開館。石神遺跡から出土した約6千~4千年前(縄文時代前期)の円筒土器を中心に展示し、国の重要文化財も並んでいる。「撮影OKです」と管理人の小山内壽一さん(75)。「ケースの外にあるものは触ってもいい。もともとは破片。割れたら組み直せばいいだけだから」というので、土器に触れてみた。はらはらする気持ちはどうしても抜けなかった。

▼2040歩
写真アスパラガスの出荷作業に精を出す小林弘美さん、悠紀子さん夫妻=地図(3)

 資料館を出て間もなく、「アスパラの店」という看板が気になった。直売所をのぞくと夫婦が出荷作業をしていた。小林弘美さん(71)は「栽培を始めて11年目。奥が深くて難しい。だけど、割のいい収入になるんだ。9月まで頑張るよ」とニッコリ。妻悠紀子さん(69)は「グリルで焼くと一番おいしいよ」と教えてくれた。今度試してみよう。

▼2986歩
写真「今の時期の早生ふじは、このぐらいの大きさ」と見せてくれる宮本さん=地図(4)

 リンゴの生育を見たくなり、南東を目指して、園地で摘果の仕上げ作業中だという宮本亮一さん(62)と出会った。「この木は早生ふじ。ならせ過ぎず、高品質にするんだ」。木に残った実は直径約6.5センチだ。順調に育っていて、大きく、おいしくなるのはおよそ2カ月後だ。「森田産は小ぶりだけど、実がひきしまっている。楽しみにしていてね」

 レジャー施設のつがる地球村を目指す。途中で会った住民によると、地球村の先にアジサイ園があるという。地球村で5390歩…。悩んだが、もう少し歩を進めよう。

▼7140歩
写真涼しげな花が約20アールに咲いている小山内さんのアジサイ園=地図(5)

 ようやくアジサイ園に到着。約20アールの園内に青、白、紫の花が鮮やかに咲いていた。あれれ、先ほど会った顔が…。「ここは私の所有です。8月上旬まで楽しめます」と歴史民俗資料館管理人の小山内さん。約20年前に500本を植え、今は約1500本あるという。「花を楽しみながら宴会したりと、自由に使える場所にしたかった。通路は手をつないでデートできる広さにしたんだ」とおちゃめに話した。体は疲れたが、涼しげな花々に迎えられ気持ち良く旅を終えた。