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    ~6000歩の旅~
    外ケ浜町三厩地区
  • 義経伝説語り継ぐ

 奥州平泉から逃げ延びた源義経は、竜飛岬から津軽海峡を越え北海道へ渡った-。そんな伝説が残る外ケ浜町三厩地区。今にも雨が降りそうな空の下、傘を片手に歩いた。(藤林全晴)

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▼433歩
写真オリジナルTシャツとステッカーで「三厩マグロ」をPRする泉谷さん=地図(1)

 三厩体育館を出発。まずは腹ごしらえをしようと創業42年のすし店「秀鮨」に立ち寄り、店長の泉谷秀悦さん(62)がお薦めするマグロ丼を注文した。同地区で捕れたマグロを「三厩マグロ」としてPRする泉谷さん。オリジナルTシャツやステッカーをつくり、店に来たお客さんに売ったりプレゼントしたりしている。「(三厩マグロは)名前こそそれほど知られていないが、味は大間マグロに引けを取らない。もっともっと県内外の人に味わってほしい」と語る。

▼1821歩
写真「夏は冷たくておいしかった」と「神明宮の名水」の思い出を話す伊藤さん=地図(2)

 山側の路地を西に進むと、左手に三厩神明宮が見えてきた。脇に流れる小川は「神明宮の名水」と呼ばれており、くんでおいても1カ月腐らないのだとか。地元の人によると、三厩に寄港した北前船が飲み水として「名水」を船に積んでいたという。神明宮の目の前で長年花屋を営む伊藤節子さん(77)も数年前まで生活用水として使用していた。「洗濯したり、花に水やりしたり、昔は生活に欠かせない水でした。夏には冷たくてとてもおいしかったんです」と懐かしそうに話した。

▼3607歩
写真義経寺に集まり縁日の準備をする地域の女性たち。「何十年やっても楽しいですね」=地図(3)

 国道280号に出て、龍馬山義経寺を目指す。ここには、荒れる海峡を鎮めるため義経が三日三晩祈ったとされる観音像がある。長い階段を上り境内に入ると、翌日開かれる縁日「観音大祭」に向け準備に追われる地域住民の姿が。集会所では、女性7人が参拝客に振る舞うまかないづくりに精を出していた。伊藤睦子さん(79)は「みんなで集まって準備するのは何十年やっても楽しいですね」と上機嫌。ミズの皮むきを終えたところでこの日の作業は一段落し、3時のおやつの時間に。おしゃべりの輪に筆者もお邪魔した。

▼4280歩
写真マゴチを釣り上げ大喜びする阿部さん=地図(4)

 階段を下り、海沿いに出る。三厩漁港では青森市の阿部大樹さん(30)が友人と釣りに来ていた。釣り糸を垂らしてすぐに約40センチのマゴチを釣り上げた阿部さんは「陸奥湾で釣れるのは珍しい。すごくラッキー」と大興奮。大粒の雨が降り始めたが「本番はまだまだこれから。大物を狙います」と気合十分だった。

▼6346歩
写真昨年10月にオープンした「みんまや よしつねの湯」=地図(5)

 雨に打たれて冷えた体を温めようと、昨年10月にオープンした三厩健康増進センター「みんまや よしつねの湯」へ向かった。この日は雨のせいか、やや客が少なめ。従業員の川村正弘さん(65)は「1日平均約73人が利用している。近隣の町からも多くのお客さんが来てくれている」と話す。一緒に湯船に入った男性は「普段はあいさつするだけの人とも、風呂場で顔を合わせれば自然と会話が弾む。町全体が仲良くなった気がするね」。

 800年以上前の伝説が今も語り継がれる三厩は、地域住民のつながりが深い町だった。