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    ~7000歩の旅~
    平川市碇ケ関地区
  • 秋の恵みと紅葉満喫

 藩政期に関所が置かれ、在りし日の風情を今なお感じさせる平川市碇ケ関地区。曇天の10月23日、平地に初雪の便りが届く前に秋を満喫すべく、市役所碇ケ関総合支所前を出発した。

 気温10度。風も強く手袋を身に着けた。南東方向に歩いてすぐの掲示板にイベントのチラシが目に入った。「10月23日、道の駅いかりがせきで『収穫祭』」。旬の果物や野菜の販売があるようだ。大いに興味をそそられたのは県産米「青天の霹靂(へきれき)」のおにぎり2個と豚汁セットが400円。お昼はこれで決まった。(長内健)

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▼530歩
写真散歩中の小堀さん。「この時期は紅葉がきれいだよ」と笑顔を見せた=地図(1)

 真っすぐ進み、碇ケ関公民館前で小堀トシさん(76)と出会った。小堀さんは三笠山公園を指さし「秋を味わいたいならあそこの紅葉を見ておいで。まんずきれいだよ」とからからと笑う。少し距離があるが行ってみよう。交差点を左に折れた。

▼1430歩
写真青森市から訪れた櫻庭さん。「碇ケ関のどこかに寄ってから帰ります」=地図(2)

 東北道上下線と並行した緩やかな市道の坂道が続く。100メートルほど前から歩いて来た櫻庭隆之さん(37)も、三笠山公園の紅葉を見てきたという。青森市から列車と徒歩で訪れたとか。「珍しい? でも列車は車と違って移動中寝られるし、散歩も楽しめる。紅葉もきれいで良かった」。その言葉に期待が募った。

▼2204歩
写真紅葉が見ごろだった三笠山公園=地図(3)

 T字路を右に曲がって東北道下のトンネルに入り、さらに右へ。数分で三笠山公園に到着した。人影はなく、気の向くまま傾斜の遊歩道を歩く。評判通りきれいな紅葉だ。

 一部は散っており、散り敷かれた落ち葉のじゅうたんから、ふわふわした感触が靴底から伝わって何だか楽しい。

 20分近くたった頃に正午の時報。少々疲れた。おなかもすいた。来た道へ体を向ける。

▼3648歩
写真三笠山公園に続く市道のすぐそばは東北道=地図(4)

 既に体はぽかぽかだが、相変わらず風は強く「サー」と音を立てて木々の葉が揺れる。すぐそばの東北道から車の音も聞こえた。「雪が降る前に遠出したいな」と胸の中でつぶやく。

 櫻庭さんと出会った所まで戻り、さらに道なりに歩いて約5分。人を見かけない。橋を渡り突き当たりの交差点を右に曲がって国道7号へ出た。しばらく歩くが車が通り過ぎるばかりで、誰も歩いていない。

▼7145歩
写真「例年に比べてお客さんはちょっと少ないかな」と話す小田桐さん=地図(5)
写真「おにぎりと豚汁のセットは好評です」と薦める小笠原さん=地図(5)

 「収穫祭」会場の道の駅に到着。駐車場は東北各県のナンバーを付けた車両で満杯だ。主催者の市観光協会碇ケ関支部長・小田桐正己さん(65)に声を掛ける。「今日は碇ケ関で他にも行事があるせいか、例年より人出が少ない」と話した。

 隣のテントで、本年産霹靂のおにぎりと豚汁のセットを注文。市碇ケ関地区婦人会の小笠原ミサさん(71)が「セットはすごい人気。福島県の観光客も食べてくれたよ」と笑顔で運んでくれた。豚汁のスープを一口。ため息が漏れる。おにぎりの塩味と粘り気も程よい。瞬く間に完食した。

 約2時間。碇ケ関の秋を満喫できたひとときだった。