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    ~7000歩の旅~
    青森市浅虫地区
  • 志功も愛した温泉街

 かつて「東北の熱海」と呼ばれ、多くの人々でにぎわった青森市浅虫地区。同市出身の世界的な板画家棟方志功は浅虫を愛し、水彩画に「浅虫へ海も山も温泉も」と筆を振るったという。青森とは思えないほど残暑厳しい9月中旬。案内所で地図をもらい、青い森鉄道浅虫温泉駅を出発した。(工藤俊介)

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▼830歩
写真「刺し身盛り合わせ定食」を手にする堤麗子さん=地図(1)

 駅を出て県道を北に進むと、いけすにホタテが入った赤や黄色のカラフルな店が。堤健六さん(72)、麗子さん(71)夫婦が営んでいる「ろくさん食堂」だ。その日のおすすめが出てくる「刺し身盛り合わせ定食」を注文。「マグロとヒラメ、それとさっきまで生きてたホタテだよ」と麗子さんが持ってきてくれた。新鮮な魚介類のおいしさに感動しながら、5分ほどで完食。ホタテのみそ汁もうれしい。

▼1033歩
写真「陸奥湾をテーマにしたトンネル水槽では、ホタテの養殖も再現しています」と話す久保さん=地図(2)

 腹ごしらえも済んだところで十数年ぶりに浅虫水族館へ。1983年に開館した浅虫水族館は、約400種の水生生物を展示する東北でも最大規模の水族館だ。案内してくれた久保真司さん(26)のおすすめは、陸奥湾をテーマにしたトンネル水槽。湾内で盛んなホタテの養殖も丁寧に再現している。久保さんは「じっくり観察して、自分だけのお気に入りを見つけてみては」と話していた。

▼2550歩
写真あいにくの曇り空だったがむつ湾展望所からは浅虫を一望できる=地図(3)

 どこに行こうかと考えていると、地図に「むつ湾展望所」の文字が。運動不足の体にはきつそうだが、絶景を求めて山を登ることに。息を切らして歩いていると、岩手から旅行に来ていた伊藤誠さん(61)とすれ違った。「何年か前に見た景色はとても感動的だった。今日は少し曇っていて残念」と伊藤さん。やっとのことで到着した展望所からの眺めは、曇り空と青い海、緑の森。晴れている日にまた来ようと決めた。

▼5905歩
写真浅虫温泉の歴史や棟方志功との思い出を語ってくれた蝦名社長=地図(4)

 下山して国道4号へ。サンセットビーチを右手に見ながら南へ移動し、道の駅ゆ~さ浅虫を少し過ぎた辺りで左の小道へ。温泉街を散策していると、創業347年の老舗「椿館」を発見。蝦名幸一社長(76)から「東京の志功さんの家を訪ねたとき、いきなり抱きつかれて耳をかまれた。喜びを体で表現する純粋な人だった」と、貴重なエピソードを教えてもらった。

▼7175歩
写真「10月に入って涼しくなればカレイやアイナメが釣れるようになるよ」と教えてくれた松井さん=地図(5)

 ゆ~さ浅虫へ戻り、歩道橋を渡ると浅虫海づり公園に到着。約20年間園長を務める松井光雄さん(80)によると、この日多く釣れているのはサバやイナダなど。閉園が近づいてくると、松井さんが片付けを終えた常連客と「今日は調子どうだった」「イナダが3匹釣れたよ」などと楽しそうに話していた。

▼7649歩

 あらためてゴールのゆ~さ浅虫に到着。海と山を堪能した旅の終わりは温泉と決めていた。展望浴場から見る夕日はきれいだろうなと思っていると、携帯電話に会社の先輩から着信が。海も山も、温泉はまた今度だなと帰路に就いた。