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    ~4000歩の旅~
    中泊町小泊地区
  • 小説「津軽」の終着点

 漁師町として栄えた中泊町小泊地域は、小説「津軽」で太宰治が子守の越野タケと再会した場所でもある。青空が広がった12日午前、小泊漁協を出発した。(佐藤詩織)

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▼262歩
写真箱詰めしたメバルを見せてくれた越野さん=地図(1)

 目の前の小泊漁港へ行ったが、1日から解禁のマグロ漁は不漁が続き、帰ってくるのはメバル漁船だけ。小泊漁協の越野暢之さん(33)は「マグロの水揚げは小さいのが13本だけ。メバルも量が少ない」と渋い表情。それでも「メバル膳効果もあるのか、メバルは例年の2倍近い高値」と語る。県漁連の金澤一樹さん(31)は箱詰め作業をしながら「小泊は明るい人ばかり」と笑顔を見せた。

▼1408歩
写真町の観光ガイドブックを手にPRする青山さん=地図(2)

 海沿いを東に進んで訪れた町役場小泊支所では、今春採用された水産観光課の青山順哉さん(22)が16、17日の日程で行われるビーチサッカーの準備をしていた。採用2カ月で担当した竜泊ラインウオークは「事務手続きから当日の運営までバタバタでした」としながらも、「海と田んぼが広がる町の魅力を伝えていきたい」と意気込む。

▼2797歩
写真【写真左】お菓子工房「じゅうもんじ屋」と「Cafeポティロン」の山本オーナー【同右】「Cafeポティロン」のオススメメニューの「500円ランチ」。隣のじゅうもんじ屋から買ってきたケーキと「ごんげんざき」=ともに地図(3)

 住宅街を進めば、時刻はそろそろお昼。喫茶「Cafeポティロン」は、隣のお菓子工房「じゅうもんじ屋」オーナーの山本直樹さん(52)が経営する。定番のケーキセットもあるが、季節限定で町名産のブルーベリーを使う「ブルーベリーヨーグルト」と、お土産に銘菓「ごんげんざき」を購入して持ち込む。500円ランチから選んだアジフライとエビカツはサクサクで、自家製のタルタルソースが合う。ケーキも甘すぎず、大満足! 山本さんは「地元客がメインだけど、つがる市や中里地区からも来てくれている」と笑った。

▼2975歩
写真太宰の生家の津島家と親戚関係でもあるという横野さん=地図(4)

 太宰の子守タケが嫁いだ金物屋は現在、横野たばこ店になっている。出迎えてくれた横野智穂子さん(54)は「映画の撮影で、吉永小百合さんも来てくれたの」と教えてくれた。関西や関東地方から訪れた太宰ファンと手紙でやりとりするそうで「何もない場所なのに何度も来てくれる」と語った。

▼3705歩
写真真剣にワークを解く園児たち=地図(5)

 元気な声が響く「こども園こどまり」。年長の「さざえさん」組では、園児たちが数字とひらがなを勉強し、ワークに取り組んでいた。久保田理夢ちゃん(5)は「ワークが一番好き。むずかしくないよ」とにっこり。大澤凛々ちゃん(6)は「夢はアイドル」と教えてくれた。

▼3883歩
写真太宰とタケの再会を再現した像=地図(6)

 坂を上ってゴール。歩き回って見た太宰とタケの像は、どちらも表情が柔らかく見えた。「小説『津軽』の像記念館」内では「津軽」に登場する女性たちをテーマにした写真展を開催中で、どれも少しはにかんだような笑顔であふれている。事務員の伊藤桃子さん(28)は「来年度は男性バージョン。登場者が男性の方が多いので、ぜひ」とPRした。

 車を置いている小泊漁協まで、海を眺めながら帰ろうっと。