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    ~5000歩の旅~
    蓬田村
  • 春を感じ 名物巡り

 トゲクリガニやホタテなど海の幸に恵まれ、桃太郎トマトなど農業も盛んな蓬田村。まちあるきにぴったりな雲一つ無い快晴の下、村役場からスタートした。(山本光)

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▼856歩
写真イチゴの花の芽を摘む小坂さん=地図(1)

 踏切を越えると、2棟のビニールハウスが見えた。中では青森市の小坂覚さん(49)がイチゴの花の間引きをしていた。同市で経営していたライブハウスを閉店後、5年ほど前から蓬田村で畑を借りてイチゴを栽培している。「赤くなる前に熟してしまった白いイチゴを食べたことがあって、商品にならないのにすごくおいしくて感動した」と農業に携わるきっかけを教えてくれた。

▼1612歩
写真「1時間かけて丁寧に掃除している」という下山さん(写真右)「実は海水でゆでているんです」と話す武井さん(同左)=地図(2)

 村の駅「よもっと」に立ち寄る。障害者就労施設「希望」蓬田の下山清順さん(31)が駐車場にあるトイレを清掃していた。便器はぞうきんで拭き、床は水をまいて念入りにブラシがけ。「ここのトイレは利用者が多いので、喜んでもらうためにきれいにしています」と額の汗をぬぐった。

 よもっとに目を移すと、従業員武井豊秋さん(34)が大きな鍋でたくさんのトゲクリガニを湯がいていた。「花見ガニ」とも呼ばれる旬のトゲクリガニ。「おいしいですよ、食べますか」という問いかけに迷わずうなずいた。初めてトゲクリガニを食べる記者に「甲羅にミソがあるから指ですくって食べるんだよ」と同僚の折笠修三さん(69)。甲羅を外してもらい、ミソを味見すると、ほどよい苦みが食欲をそそった。

▼2930歩
写真黙々とトマトの接ぎ木を行う吉田主任(左)=地図(3)

 緩やかな坂道を上る。ライスセンター奥のビニールハウスでは、桃太郎トマトを病気から守る「接ぎ木」の作業が行われていた。この育苗施設では1年で12~13万本のトマトの苗を接ぎ木し、村の農家に出荷している。JA青森蓬田支店の吉田正主任(36)は「大変だけど、おいしいトマトのために苗作りは重要。やりがいがある」と話し、作業を続けた。

▼3305歩
写真バスに乗り込み「バイバイ」と手を振る蓬田小の児童=地図(4)

 元気な声が聞こえてきた。黄色い帽子をかぶった蓬田小の1年生が4時間目の授業を終え、スクールバスに乗り込んでいた。18人の新入生のうち、14人がバスを利用する。先生に「早く降りる人は前の方に乗ってね」と声を掛けられながら着席。「先生、バイバイ」ときらきらした笑顔で手を振った。

▼4171歩
写真花見に持って行く人も多いというフライ万中=地図(5)

 森菓子店に入ると、森久美子さん(66)が出迎えてくれた。名物の「フライ万中(まんじゅう)」を三つ購入。手渡された紙袋はまだ温かい。森さんは「できたてを買えるのは珍しいですよ」とにっこり。

 防波堤に腰掛け、陸奥湾を眺めながらフライ万中を一口。こんがりと揚がった生地はサクッと軽い食感で、ほんのり広がるあんこの甘さが歩き疲れた体を癒やしてくれた。

 万歩計を見ると5128歩。3個食べても太りはしないだろう。