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    ~4000歩の旅~
    南部町剣吉地区
  • 伝統息づく駅前通り

 4月中旬の風もなく穏やかな一日、南部町の剣吉地区を青い森鉄道剣吉駅から歩いてみた。スタート前、駅舎をのぞくと同駅前通りのマスコットキャラクター「剣ちゃん」が居た。愛らしさに心が和む。(藤本雄大)

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▼466歩
写真「手踊りは生きがい」と語る木村さん=地図(1)

 地元の町内会長や剣吉商店会の有志らでつくる「剣吉駅前ストリート活性化委員会」が作った剣吉商店街と周辺のウオーキングマップを手に、駅前通りを右手に向かう。この通りでは毎月6の付く日に市が立つ。これからの季節、苗木を求める農家らでにぎわうという。程なく見えてきたのは「南部芸能伝承館」。木村社中主宰の木村和子さん(72)は週2回、伝承館で地区の子どもらに南部手踊りを指導する。「手踊りは生きがい。伝統を途絶えさせたくない。成人した教え子たちが、またやりたいと戻ってきてくれるとうれしい」とほほ笑んだ。

▼1792歩
写真「十和田神社の池はパワースポット」という板垣さん=地図(2)

 伝承館から国道104号に向かう。国道を渡り「涼現堂(斗賀神社)」に到着。境内左手の山道を5分ほど登ると十和田神社にたどり着く。そこには青みがかった水をたたえた池が。案内してくれた同地区の文化・伝承をめぐる会会長の板垣雅英(まさてる)さん(65)は「この池の水は十和田湖と源流が同じとの言い伝えもあります。小さい池だが水が絶えたことがない。いわゆるパワースポットですよ」

▼3106歩
写真なつぼり時計店の店主・夏堀さんはクラシックギターの見事な腕前を披露してくれた=地図(3)

 国道沿いをしばらく歩き再び駅前通りへ。この辺りにはかつての剣吉館の跡に立つ剣吉小学校、剣吉の地名の由来となった四ツ谷池がある剣吉諏訪神社がある。商店街の「なつぼり時計店」を訪ねた。店主の夏堀和広さん(72)の趣味はクラシックギター。早速「禁じられた遊び」「太陽がいっぱい」など懐かしの映画音楽を披露してくれた。「お客さんがギターを見ると『誰が弾くの?息子さんかい』と聞いてくるんですよ。そこで『私だよ』と、弾いてみせると皆驚くんです」と笑った。

▼3535歩
写真工房で南部裂き織りを作る岩間さん=地図(4)

 踏切を渡り剣吉駅方面に向かう。立ち寄ったのは通りから奥まった場所に立つ「さきおり工房いわま」。工房を開くのは17、8年前から南部裂き織りを始めたという岩間弘子さん(76)だ。「ここは自分の遊び場。ペンケースやポシェットを作っては知り合いに贈ったりしています」。昨年からは近くの名久井農業高校の生徒に裂き織りを教えているという。「若い人に伝統を伝えるのは大切なこと。南部裂き織りを伝承していかないと」

▼3907歩
写真手を休める暇なく次々と揚げ物を揚げる夏堀仕出し店の夏堀ゆかりさん(右)=地図(5)

 剣吉駅近くにあるのは地元の有名店「夏堀仕出し店」。人気は職人気質の店主・夏堀広信さん(54)が作る鳥串唐揚げやコロッケ。妻ゆかりさん(45)は「毎日同じ味のものをお客さんにお出しすることを心掛けてます。揚げたてを味わってほしいですね」と揚げ物を揚げる手を休め話してくれた。鳥串唐揚げは一口かじると熱々の肉汁があふれてくる。ビールに合いそうだ。晩酌のつまみに鳥串唐揚げとコロッケを買って帰ろうか。ゴールの剣吉駅はもう目と鼻の先だ。