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    ~5000歩の旅~
    藤崎町
  • 人温かなリンゴの町

 リンゴ「ふじ」の発祥地として知られ、古くから津軽地域の交通の要衝として栄えた藤崎町。11月初旬、弘前駅からJR五能線に揺られて藤崎駅に降り立った。リンゴや岩木山の絵が色鮮やかに描かれた駅舎内を抜け、外に出る。さぁ散策を始めよう。(尾坂拓哉)

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▼181歩
写真でんきハウス光洋の佐藤光三さん(左)と友子さん=地図(1)

 駅前の交差点を左に曲がると電器店「でんきハウス光洋」が目に入った。40年以上前から佐藤光三さん(71)と妻・友子(67)さんが二人三脚で経営している。時代の移り変わりで個人経営の電器店は減少しているが、「お客さん第一でやってきた。長い信頼関係があるから続けていけるんです」と2人は声をそろえた。

▼1249歩
写真「おすすめのブリュレです」と菊池さん=地図(2)

 国道339号に出て藤崎八幡宮方面に向かうと「手づくりケーキ」ののぼり旗が。甘党の記者が引き寄せられるように老舗菓子店「きくち覚誠堂」に入ると、菊池静子さん(51)が出迎えてくれた。「トキワ養鶏の赤い卵を使って無添加にこだわって作ってます」。プリンやシュークリームなどが並ぶ中、「いち押しはこれ」と紹介されたのが天然のバニラをたっぷり使ったブリュレ。お土産に迷わず購入した。

▼2492歩
写真岩木山を眺めながら休憩する阿保さん親子=地図(3)

 店を出て西へ。交差点を左に折れて県道131号を通って平川へ。今日は晴天。岩木山もくっきりと見える。阿保映憲君(9)と父・雅幸さん(53)はサイクリングの休憩中。「天気が良くて気持ちいい。さっきハクチョウも見えたよ」。もうじき本格的に飛来するハクチョウ。この日は2羽が仲良く連れ立って飛んでいた。

▼2976歩

 来た道を戻り、再び国道339号に。「ふじりんご発祥の地」のモニュメントがある交差点を北東へ進む。大きな鳥居が見えてきた。鹿島神社だ。境内には町出身の大関・大ノ里の顕彰碑と相撲場がある。今は静かな相撲場だが夏には子どもたちの相撲大会が開かれ、将来の関取候補がぶつかり合う。

▼3980歩
写真ふじを収穫する野呂さん=地図(4)

 道沿いに進み、交差点を左に曲がると、両脇にリンゴ畑が広がった。野呂釵子さん(73)と息子の一徳さん(50)、友人の清水正子さん(72)はふじの収穫まっ最中。「今年のは糖度がのってるよ。丹念に育ててきたリンゴを無事に収穫できるのはやっぱりうれしいな」と若々しい笑顔で話す。帰り際、「これ、持っていきなが(行きなよ)」とふじを5個いただいた。

▼5164歩
写真「お疲れさま。ビールをどうぞ」と話す木村さん=地図(5)

 五千歩を超えた。日も暮れてきたし、どこかで休もう。駅前に歩くと昼間は見つけられなかった居酒屋スナック「花と龍」が目に留まった。店を営む木村清志さん(68)に勧められ、ビールを注文。グビグビッ。一気に飲み干す。疲れた体にアルコールが染み渡った。あぁ…うまい!

 帰りの列車の時間まであと30分。もう一杯いけそうだ。「大将、ビールおかわり。焼き鳥と枝豆もお願い」