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    ~5000歩の旅~
    中泊町中里地区
  • のどかな津鉄沿線

 日本最北端の民間鉄道・津軽鉄道の終着駅がある中泊町中里地区。スタート地点は、津鉄の終点の一つ前の深郷田(ふこうだ)駅。16日午後0時35分、列車「走れメロス号」を見送りながら、大沢内ため池を背に、県道103号線を北上した。(佐藤詩織)

写真スタート地点は小さな無人駅の「深郷田駅」。オレンジ色の車体が特徴的な列車「走れメロス号」=地図(1)
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▼498歩
写真自宅前の畑で、強風で倒れた枝豆を収穫中の越野さん=地図(2)

 よく津鉄で乗り合わせる、県外の鉄道マニアの人たちが言う「何もないからあずましい(心地良い)」を体現したような深郷田地区。住宅街を進んでいくと、自宅前の畑で農作業中だった越野トヨさん(86)を発見。「収穫しないで残していた枝豆が、風で倒れてしまった。中身が無事なので、乾燥させて大豆にしようかな」と笑顔を見せた。

▼2594歩
写真「里のれすとらん」の店主の武田さんと人気メニューの焼きそば=地図(3)

 ひたすら歩いておなかがすいたので、津軽中里駅前の「里のれすとらん」へ。人気メニューの焼きそばに舌鼓を打ちつつ、目に入ったのは津鉄沿線が舞台の漫画「ちゃぺ!津軽鉄道四季ものがたり」。ぺらりとめくれば、主人公のちゃぺの祖母が経営する「はるえ食堂」は「れすとらん」そっくりの外観。店主の武田信治さん(63)は代々、駅前で食堂を営んできたと言い「現在の名前にする前は『武田食堂』だった。友人らにもちゃぺの食堂とうたえばいいのにと言われる」。

▼2617歩
写真「農作業の合間に、メンバーが作った総菜やお菓子なんかを販売している」と話す駅ナカにぎわい空間を運営する金多豆蔵応援隊の野上さん=地図(4)

 れすとらんから23歩で津鉄の「どっぱれ(おしまい)」である津軽中里駅に到着。「いらっしゃい。今日のお薦めはアップルパイ」と声を掛けてくれたのは隣接する駅ナカにぎわい空間を運営する「金多豆蔵応援隊」の野上貴美子さん(63)。食後のコーヒーをもらい、ホッと一息。毎日のように通っている女性(59)も「カメラを手に訪れる人が多い。ストーブ列車が走る冬には、もっと観光客は来るよ」と話した。

▼3112歩
写真ピンクの内装がかわいらしいおやつの店「アイドル」の店主・小鹿さん=地図(5)

 町役場前を通り過ぎて、子どもたちだけでなく大人も通うおやつの店「アイドル」。たこ焼きやフライドポテトなどを販売している。「28年くらい前から経営している。始めたばかりのときは、長女をおんぶしながらだった」と話すのは店主の小鹿純子さん(55)。「1人で店をやるのは大変で毎年、今年で最後にしようと思う」と言いつつも、吹雪がひどい日でも開いているお店。「子どもたちのおねだりで、自由に使える七味やスパイスが多くなった」と豪快に笑った。

▼4428歩
写真中里城跡の展望台からの景色。岩木山がわら焼きの煙でかすんでいる=地図(6)

 「アイドル」から少し戻って、細い住宅地の上り坂を巡って急な階段を上がり、着いたのは「中里城跡」。城跡は江戸時代後期ごろから古城跡として知られ、平安時代には古代環濠(かんごう)集落として栄えた。現在は、芝生広場や復元した住居1棟などがある。約8メートルの高さの展望台からは、わら焼きの煙の向こうに岩木山がうっすらと見えた。散歩で訪れた男性(80)は「自分の所の田の様子も、ここからならよく見える」と景色を眺めていた。

 津軽中里駅まで戻って、5680歩。津鉄に乗って、のんびり帰ろう。