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    ~6000歩の旅~
    六ケ所村
  • 磯の香りに誘われて

 秋の陽光が降り注ぐ先週末、六ケ所村北端に位置する村最大の集落泊地区を散策した。村人口の3割に当たる約3500人が住む漁業の街。核燃料サイクル施設や風力発電など「エネルギーの村」として知られる六ケ所の別な一面に触れることができた。(永野悠太)

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▼出発地点
写真コンブを天日干しする中村さん=地図(1)

 10日午後、出発地点は同地区中心部にある泊地区イベント広場。磯の香りに誘われ海沿いの道路に出てみると、約100メートルの路面にコンブがびっしり。近くの海で採れたコンブを天日干しする漁師の姿があった。

 「きょうの漁はまずまずだ」と言葉少なに、黙々と作業を進める中村一義さん(83)。この日は晴れて風もある絶好の作業日和だそう。「砂を取り除いたり、まめに手入れしているんだよ。油揚げと炒めるのが一番おいしい」。妻のよしのさん(79)が教えてくれた。

▼140歩
写真創業90年を超える老舗菓子店「遠田秋月堂」。店長の遠田薫さん(右)と店員の浅坂咲子さん=地図(2)

 住宅や商店が並ぶ通りに移って北に進み、取材で泊地区を訪れた際によく立ち寄る老舗菓子店「遠田秋月堂」に到着。「新商品があるよ」と、おろしリンゴとカスタードクリームを揚げ春巻きに仕立てたスイーツ「春巻きりんご」を店長の遠田薫さん(58)が紹介してくれた。ところが、催事用で店には置いていないとのこと。「(11月7、8日の)ろっかしょ産業まつりで販売するから、ぜひ来てみて」。待ち遠しい。

▼2897歩
写真試合形式の練習を行う能登君(左)と浅井君=地図(3)

 坂道を歩き、泊中学校へ。体育館では六ケ所卓球クラブに所属する小中高校生10数人が練習に励み、ラリーの音が響き渡る。田子町で開かれる地区大会を翌日に控え、子どもたちのまなざしは真剣。能登滉貴君(泊小6年)は「ドライブを打った後に、素早く体勢を戻すように気を付けたい」、浅井海斗君(泊中3年)は「チームを助けられるように全力を尽くしたい」とそれぞれ意気込みを語った。

 外に出ると、すっかり日が落ちていたので、きょうはこの辺で終わって、続きはあすに。

▼3442歩歩
写真スルメイカの入った発泡スチロール箱を陸揚げする宮守さん=地図(4)

 11日午前、泊中前から再開。「ドドド…」というエンジン音が聞こえたので丘の上から泊漁港を見下ろすと、漁船が次々と帰港している。坂道を下り、漁港に。漁師の宮守勝雄さん(78)が愛船「長進丸」を岸壁に係留し、スルメイカが入った発泡スチロール箱を陸揚げしていた。「今年は不漁。11月に捕れる時期が来るので期待したい」

▼6428歩
写真ドライフラワーを使ったクリスマスツリー作りに挑戦する(左から)三浦さん、水戸さん、山本さん=地図(5)

 進路を南に変え、東に太平洋を望みながら約30分歩く。泊地区ふれあいセンターからにぎやかな声が聞こえる。同地区のまつりが真っ最中。泊小学校の水戸沙弥香さん(3年)、三浦曖梨さん(同)、山本恵美瑠さん(4年)がドライフラワーを使ったクリスマスツリー作りに夢中だ。土台の松ぼっくりにボンドで一つ一つ丁寧に飾りを付ける。「飾りのバランスを考えるのが難しかった。うまくできたので家に飾りたい」と、水戸さん。室内に笑顔が広がっていた。