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    ~7000歩の旅~
    新郷村
  • 自然豊かな神秘の里

 自然豊かで、「キリストの墓」がある神秘の里としても知られる新郷村。9月12日午後、村中心部からキリストの墓を目指して、戸来地区の国道454号を歩いた。五戸消防署西分遣所から出発した。(坂本光芳)

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▼310歩
写真「できるだけ店を続けたい」と話す「東京屋」の下栃棚さん=地図(1)

 国道を進むと、間もなく右側に「お食事処(どころ) 東京屋」と書かれた看板が見えてきた。店主の下栃棚博子さん(71)は「夫の親が1950(昭和25)年に創業した。村出身者だけど、創業前は東京にいたから東京屋と名付けたんだと思う」と話してくれた。その夫は6年前に他界。以来一人で店を切り盛りしている。「やめようと思ったこともあるけど、来てくれるお客さんがいる限り、できるだけ続けていきたい」とほほえんだ。

▼1018歩
写真村内唯一の交通信号機=地図(2)

 店を出てさらに歩くと、交通信号機に初めて出くわした。実はこれが村唯一の信号機だ。村では交通死亡事故ゼロが9年以上続いている。そばにある五戸署新郷駐在所の野坂一人さん(54)は「道路が狭いにもかかわらず大型トラックが頻繁に通ります。大きな事故がないのは、交通安全活動に熱心な村民の協力のたまもの」と説明してくれた。

▼1250歩
写真村役場の向かい側にある金ケ沢農村公園=地図(3)

 ここでちょっと寄り道。信号を左に折れて、村役場向かいにある金ケ沢農村公園へ。公園前を、つえをついて歩く伊調義夫さん(72)と出会った。手術後のリハビリで散歩しているという。伊調?もしかして…なんと、女子レスリングの伊調馨選手の親戚だった。「馨はわれわれの誇り。ぜひまたオリンピックで優勝してほしいね」

 国道に戻り、しばらく歩く。2000歩、3000歩。あれれ、伊調さん以来、人に会っていない。左側には田園が広がるものの、農作業をしている人すらいない。人と触れ合う企画なのでちょっと不安!

▼3620歩
写真戸来三嶽神社にあるご神木のケヤキ=地図(4)

 右手に鳥居が見えた。863(貞観5)年の創建とされる戸来三嶽神社だ。鳥居をくぐって坂を上ると、推定樹齢650年のご神木のケヤキが出迎えてくれた。しかし、ここでも人影はない。

▼6475歩

 ひたすら国道を進む。すると左手に人影が…。女性がトウモロコシを収穫していた。あるテレビ番組じゃないが、「第一村人」発見の気分。しかし、取材を申し込むと断られてしまった。トホホ。

▼7086歩
写真盛り土の上に立つ十字架。手前がキリスト、奥が弟イスキリの墓とされている=地図(5)

 キリストの墓がある公園にやっと到着。坂道を200メートルほど上っていくと、盛り土の上に立つ二つの十字架が見えた。右側がキリスト、左側は弟イスキリの墓だという。案内板によると、ゴルゴタの丘ではりつけの刑に処されたのは弟で、キリストはひそかに日本に渡り、新郷村に住んで106歳の天寿を全うしたそうだ。

 秋田県に住む親戚と共に訪れた千葉県船橋市の出口ひろ子さん(66)は「墓が本当にあるのか以前から気になっていただけに、来られてうれしい。見たことを人に自慢できる」と喜んでいた。

 キリストの墓のさらに先の羽井内地区には「大石神ピラミッド」がある。神秘とロマンに満ちあふれる村は、まだまだ奥深い。